sunny place | ナノ



sunny place
03







「桐生、これHRの間に配っておいてくれ」

担任から渡された大量のプリント。

委員長なんて役割はみんなのまとめ役で、そして先生のお手伝いみたいなものだ。
高校生となれば決め事もたくさんあるわけじゃなくて、ちょっとした肩書きでしかない。

そして、優等生の顔をしていればいい。


誰も俺が夜な夜な男に抱かれているなんて気付きもしない


「委員長?」

「・・・あ、何?」

「ボーっとしてどうしたの?プリント配るんなら手伝おうか?」

「あ、あぁそう?助かる」

ちょっと微笑めば皆快く思ってくれて。

目の前に立つ、俺に好意を持って仕事を手伝ってくれるクラスメイトは、コロコロとよく笑い無駄話をする。

こいつも、俺の知らないところで胸を痛めてたりするのだろうか。

周りに気付かれないように、仮面をかぶって生活しているのだろうか。

大切な物は、あるんだろうか・・・


「ありがとう。助かったよ。」

「全然!俺、委員長の役になったのならそれで良いよ」


―・・・綺麗なものを汚したい、と思った。







それからしばらくして、そのクラスメイトからの呼び出しを受けた。

空き教室に呼び出され、その時点で内容なんてわかりきったようなものだったけど・・・


「い、委員長、もうわかってるかも知れないけど・・・」

顔を赤らめ、俺を見上げるその顔。

告白って、こういうものだ。

本当に、心からの言葉って重いものだ


「好き、です。」


秋吉からは一度ももらえなくて

俺からも一度も言うことが出来なかった

その言葉


「俺の、どこが・・・・好き?」

「え、そのっ、なんていうか・・・何でもこなせる所とか。優しい、笑顔、が・・・」


俺の上辺に騙されて

そして告白してくるなんて、なんて可哀想な奴なんだ。


「・・・・ありがと。でも俺付き合うとか考えられないんだ、今は。」

「そ、そう。・・・男、だしね・・・ゴメン。」



「でも―――、抱いてやることはできる」


「え?」


顔を近づけ、問いかける

「どうする?」と。

目を潤ませ、泳がせ、そして、少し顎を上げたそいつの行動を肯定だと見て、唇を重ねた。







「ん、んっ!」

制服の袖を噛み締め、声を抑えて机にうつぶせているそいつを後ろから揺さぶる。
快楽に身を委ねて、時折俺の名を呼ぶそいつに・・・感情なんて湧かない。

擦る事で生理的に勃たせたそれを突っ込みながら、喘ぐそいつに俺を重ねた。

入れてしまえば後は快楽を求めれば良い。

そうやって秋吉も俺を抱いたのか

受け入れて、名を呼び勃たせて達する俺は

さぞ滑稽だっただろうか

求めるように、絡みつく穴に欲望を注ぎ込み、そうやって快楽だけを求めていた秋吉に
喜び腰を振る俺は・・・どう見えていた?

可哀想な奴だと、そう思って

指輪なんか・・・渡したの?


「あん、は、げしっ・・・!ああっ!」

相手の声なんて聞こえているようで聞いていない。ひたすら腰を振り、お構い無しに奥に精子を叩き付けた・・・



ズルリと自分を抜き出せば
震えて快楽の余韻に浸っているそいつに声を掛けた


「ゴメン・・・喘ぐ声、聞いたら抑えられなかった・・・」

「っ、あ、・・・うん。」

吐精してもなお火照りを残したその体をかき抱き、俺に視線を寄こすそいつは照れたように、嬉しそうに、口元を緩めて笑った。






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