sunny place | ナノ
sunny place
02
「緩(ゆる)んでないね・・・」
「ふっ・・・っあ・・・」
腰を高く上げさせられて、頭から肩はベッドに沈んだ体勢でひたすら男の指が俺の中をかき回す。
それはもう、長い長い時間を掛けて。
たっぷりと注ぎ込んだローションが、あたりを濡らしているのもわかっていたし、指が出入りするその音が相手を興奮させているのもわかった。
なのに、なかなか入ってこない
男の手が俺を扱い徐々に大きさを、硬さを、持っていくのを、俺の中に入っていく自分の指を・・・男は楽しそうに眺めていた。
久々に受けるその快感に
頭がどうにかなりそうで
自分の中を渦巻く熱を早く出したいと腰を揺らす
「・・・んんっ!あっ」
俺の感じる所を見つけた男は嬉しそうにそこを責める
じわりと湧いた感情は、懐かしくもあって、切なかった。
秋吉
アンタしか知らない場所を
オレはこうやって知らない男に探られて・・・
大切な何かが欠けたような気がした
「んっ!あ・・・もうっ」
指を増やされ、その追い上げるような早い動きに最奥が疼く。とめどなく立つ水音に理性なんて保ってられなくて。
「我慢できないか?」
「ん、あ、ああ!」
「言うんだ」
「・・・っ、あ!・・・ちょ、だいっ!は、やく・・・早くッ!!」
早く 俺を連れて行って
秋吉
「・・・ひっ、あああっ!!」
腰を掴まれ、奥まで一気に押し入ってきた瞬間
体を、足を震わせ吐精した
長い間、玩ばれた体から
押し出された快感と
目から溢れ
すぐにシーツに消えていく涙
アンタじゃなくても
俺はイクんだ
自分の口から発せられる快楽の声と
男が欲望を叩きつけるその音とを
どこか遠くで聞いていた
目が覚めて、誰も居ない部屋とサイドテーブルに置かれたお金。
汚れた下半身を見てもなんとも思えなくて
ただ、何かが無くなった気がした
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