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sunny place
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それから秋吉と俺との間でそんな話が増えていった。
俺の進学についてとりあえず勉強はおろそかにしない、という約束のもと秋吉の家に泊まる事を許されたりしていた。

まだ高校生だから仕方ない、と自分に言い聞かせて。



「えっ、そんなに!?」

「・・・・あぁ」

久しぶりに出張、と言い出したと思ったら

本社に2週間と言う今までで最長の出張だった。


「仕方、ないよね」

「電話もメールもするから」

「うん。無理しないで」

送り出すしかないんだ。俺が会社の事で口を出す事なんて出来ないから、諦めることは早い段階からできるようになっていた。






本社に向かってから3日目。

秋吉から電話もメールも入らない。不審に思いつつもこちらから電話して接待中だったら、と思うとできなくて。
その日の夜中に、メールを送ってみた。

深夜だったら接待とかじゃないだろう?

“すまない、忙しくて。あまり遅くまで起きてるなよ”

どこまでも大人な返答。
泣きたくなった。
少しくらい、俺を求めてくれたりして欲しい。

あの、初めのような独占欲はもう無いのだろうか

“人恋しいよ”

そんな馬鹿げたメールも送ってしまう。


“あまり困らせるな。疲れているから寝るよ。”


俺以外の奴に足を開くな、と言ったのはあんたなのに。もう、そんな風に思ってくれないの?
疲れているせい?


好きだとか

愛してるとか

まだ一言も貰った事が無いんだ

指輪がそれを語ってくれてるんだと

そう思い込んでるのは


俺の勘違い?



言葉なんて軽いものだからと自分に言い聞かせてきた。
なのに離れている時はその言葉を酷く求めてしまう。

一度も、俺を安心させてくれた事なんて、ないよ。秋吉。

夢のような幸せを感じたのは一時で
ずっと、ずっと心はざわついているんだよ。




走っても走ってもたどり着けない

そんな夢を見た。

俺は、何処へ向かっていたのだろうか・・・









“明日こっち帰ってくるよね?何時の新幹線?”

出張から帰ってくる前日の、お決まりのメールを送る。返事はすぐに届いた。

午後5時過ぎの新幹線だと。

いつもその時間から計算して秋吉の家へ出向く。が、今回は期間も長かったせいか、積もり積もったものがあった。


そんな俺の翌日向いた足は秋吉の家じゃなくて新幹線の駅。





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