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sunny place
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「秋吉!」

「あ、金沢さん・・・出張ですか?」

出社して、そこに居たのは本社の営業部長。
きっとこっちに出張ついでに支社に顔を出しに来たのだろう。

「秋吉、なかなか頑張ってるみたいだな、本社でもここのこと持ちきりだぞ。良い仕事しているらしいじゃないか。本格的にこっちだけでも動けそうだな」

「いや、まだまだですよ。やっぱり周りは本社あってのものだと見てますからね。まぁ、それなりに忙しくはなってきましたけど・・・」

「そうそう、一度本社顔出すんだろ?来月だっけ?」
「いえ、まだ正確に話し貰ってないんです」

「そうか、んーまぁきっと帰って来い的なこと言われるんじゃないか?もう半年過ぎただろ、こっち(支社)に来て。そろそろ期間終了だろ?」


そうなのだ。

支社への赴任期間は半年。とっくに過ぎていた。
初めは一年と言われたものを半年にしてくれと言ったのは俺だった。
本社に勤めることに意味があるんだと、そう思っていたから。だから何としてでも半年で支社の実績を上げて、さっさと本社に戻るつもりでいたのだ。


なのに。

取引先の約束を増やし、接待を増やし、なんとかこっちに居座っていた。そのせいで忙しくもなったが・・・本社に戻らないで済むのなら、という一心で仕事を増やしていた。


「もうこんな時間だ、じゃ、俺は行くよ。秋吉、今度本社来たときにでも飲もうじゃないか。もちろん、私の奢りだ。じゃあな」


そういって、今年48歳になる金沢は事務所を後にした。


ふう、と息をつき、デスクに腰掛ける。
昨日までの出張の書類をまとめないと、とカバンから封筒を取り出し仕事にかかる。


「秋吉さん、本当ですか?」

「あ?・・・なんだ須賀?」

「本社へ戻るんですか?」
「あぁ・・・まぁなんていうか期間が決められた上でこっちへ来たからなぁ。」

こっちの社員には俺の赴任期間を伝えていなかった。所詮一時の上司、だと思われたくも無かったし、その方がお互い仕事がしやすいだろうと思ったからだった。


「いつ、戻るんですか」
「まだ決めてないよ。戻るかどうかも判らない」


「寂しいですね。でも秋吉さんなら本社が離さないでしょうね。」
「ふっ、どうかな。そうなっても本社でもここの担当はさせてもらうつもりだよ」


俺と須賀の会話を聞いてた女子社員までもが会話に入り込んで、寂しいと言いながらも送別会の話にまでなっていった。

いつかは本社に戻らないと、いけないだろうな。

そんなこと廉には一言も話しをしていない。
急に言えば、また廉のことだ拗ねるだろうから一度本社に顔を出し、話しをつけてからにしようと思っている。

まぁ、離れたのなら、それでやっていけば良い、と思っている俺だが。


果たして廉はどう思うだろうか





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