sunny place | ナノ



sunny place
09





ずいぶん冷え込む季節になった。


「廉、何処をほっつき歩いているんだ!今日はあれほど言っていただろう!?本当にお前は駄目だな。」

「・・・・」

「遼を見習いなさい」

「・・・聞き飽きた」

「っ、何度も言わせるのはお前だろうが!謝罪の言葉ひとつ言えないのか!?・・・お前だってやれば出来るんだ・・・おい、廉!」


父親の、話しの途中でリビングを出た。

俺は兄じゃない。
俺は俺だ。

父親の会社関係の人間が開いた店のオープニングセレモニーが行われた、それに誘われた俺の家族。
前から何度も日程を言われていたが“行く”なんて一言も言っていない。それにこういう家族の形を作る時だけ必要とされる俺。

喜んで、付いて行ってたのは幼い頃だけだ。

もう、いろいろと見えてしまう、判ってしまう。


秋吉にまた誘いを断られて、落ちている時にまたこんな事で落ちる。


震える携帯を開けば、秋吉からのメール

“今日は悪かった。明日は会えるから。待っている”

少しでも、体だけの目的でも。
会えるのなら嬉しいと思う。













「最近どうしたんだ、廉」
「何が?」

「っ、何がって・・・ん」

たくさんの涎を使って秋吉を咥える
これだけはしたくないと思っていたのに
割り切ってしまえばすんなりと出来た。



秋吉の温かい家に入って一番、
秋吉をソファに押し倒したのは俺。



ジュボジュボ、と音を立てて頭を動かせば
秋吉はどんどん大きく、硬くなる
舌を使い、手を使い、彼を追い上げる

「・・・出して良いよ」

先の部分だけを咥えて、チュプっと音を立てて吸えば秋吉が震えた、が、まだ出さない。

もっと強い刺激を。

「廉。」

もっと、強い刺激を

「・・・廉、何があったんだ、自分を、大切にしなさい」

あんたが言うんだ

「最近のお前のセックスは自暴自棄のように見える。」

うるさいよ、教え込んだのはあんただろう


口から秋吉を抜き出すと、ズボンを脱いで秋吉にまたがった。


「廉!」

秋吉を支えて、俺にあてがう。
秋吉の温もりが心地良い。


「廉、ちゃんとほぐさないと」
「十分、あんたが濡れてるよ」


ぐい、と秋吉が入ってくる
・・・いや、俺が秋吉を入れてる、が正しいか


「――――くっ」
「廉っ」


痛みを伴うくらいでいい
優しくされれば勘違いするから
そこに生まれる感情は必要ないから

割り切ると決めたのに
ますますのめり込んでいる

馬鹿な俺







「あっ・・・、あ!またっ・・・あんっ!イ、クっ」


何度も、何度も秋吉で達く
秋吉を感じて


理性も何もない。
全てをさらけ出して
体だけの関係を築き上げていくだけ


それで秋吉が俺のことを忘れられなくなれば良い







「人恋しいのか?」
「ナニソレ」

「最近、激しいから」
「目覚めたんじゃない?俺。こっちの道に」

「笑えないな」
「あはは、あんたが言うの」


目を瞑ってそんな会話をする。
ベッドに寝かされて、静かに眠りが訪れるのを待っていた。秋吉がすぐ隣に居て、その心音までも届きそうな距離。秋吉の吐息を感じて、唇に温もりが重なった。


優しいその触れ方に
気持が全部持っていかれそうになるのをこらえる。


「まだするの?」

「今日はもう。廉が辛いだろ?」


俺の心配なんて要らない



「廉、人恋しいからって俺以外の奴に足開くなよ」



なに、それ―――・・・。





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