ヤンデレ2×総長
レンがイライラと衝動のままに拳を叩き付けようとすると、今度はナツメがそれを止めに入る。
「もお、レンイライラしすぎ。俺のことわざわざ止めたのにそれじゃ意味ないじゃん」
詰まんないよ、と告げてくるナツメに短く「わりい」と返してからレンは気持ちを落ち着けるため、彼らから少し距離をとった。それを見遣ってから、ナツメは先ほどの続きを話し始める。
「キミは自分の何がいけなかったか全くわかってないみたいだから、特別に教えたげるよ。うれしいでしょ」
そう訊ねられて、コウダイは慌てて首を縦に振った。
「イイコだねえ。じゃあ教えたげる。キミのいけなかったとこはねえ、全部、だよ」
「ぜ、んぶ?」
「そう、ぜぇんぶ」
告げられた意味がわからず聞き返すと、楽しくてたまらないといったような弾んだ声で返される。
「最初っから最後まで、全部がいけなかったの。アオの言うこと二回も遮ったし、俺らとアオの時間を邪魔したし」
そんなことで、と顔を絶望に染めるコウダイに、ナツメはさらに追い打ちをかけた。
「それから一番いけなかったのはね、五月蠅かったことだよ」
「アオはな、うるせえのが嫌いなんだよ」
「キミはアオを不快にさせたの」
「そんなモノを俺らが許せるはず、ねえよなあ」
いつの間に加わったのか、レンにまで淡々と告げられ、コウダイは二人から与えられるプレッシャーに脅えることしかできない。
「つうわけで、俺らはお前を排除したいんだわ」
「大人しく受け入れてくれるよねえ」
この言葉をきっかけに、バーのカウンターにはコウダイの断末魔と骨の音だけが響き渡ることとなった。
------------------------------------------------------------------
4←prev*next→6
main
top
|