ヤンデレ2×総長
「なあに、この子。いっちょ前に後ずさりなんかしちゃってるよ。笑えるー」
カラカラと笑っているその目は全く笑っておらず、コウダイは冷や汗を流した。
「あの、俺何か気に障ることしましたか」
震える声を叱咤して必死に訊ねると、掴まれた腕にぐっと力が込められる。
「っぐあ、な、なにっぅ」
「何か気に障ること、ねえ。それ、本気で言ってんの」
ぎりぎりと少しずつ込める力を強くしていきながらも、ナツメは決して笑顔を崩さない。
「や、やめっ、いっぅゆるし、て、ぇ」
もう骨が折れるか、というところまできて、「ナツメ」レンはナツメを止めた。僅かにほっとした表情を見せるコウダイに一層苛立ちが募る。
「何で止めるの」
こちらにまで敵意を向けてこようとするナツメに、レンはにっと口を片方だけ吊り上げた。
「お前はいっつも気がはええんだよ。やるならもっとじっくり、みっちりやってこうぜ」
瞬時にコウダイは更なる恐怖を感じ取り、顔を青褪めさせる。
「なあ、お前さっき『何か気に障ること』したかって聞いたな」
恐怖のあまり首を動かすこともできず、ただただ見つめることしかできない。すると、ドガッ、と腹に凄まじい衝撃が与えられ、一瞬息が詰まる。腕がナツメに捕まれたままなので、跨ることもできずうまく痛みを逃がすことができない。
「ぐぇっ、がっ、っはぁ」
げほげほと咳き込んでいると、喉を掴まれ、ヒッと悲鳴が漏れた。
「お前のその口は何のためについてんだよ、あ゛ぁ?返事もできねえのかよ、愚図が」
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