痣フェチ×不良 おまけ
「田部、お前は全然わかってないよ!」
「は?」
いきなりそんなことを言われても訳が分からないためそう返すと、立ち上がって真崎はずんずんと迫ってくる。
「お前はほんっとに何もわかってないのな」
ヤレヤレと肩を落とす真崎に苛立ちながらも、「なにがだよ」と返すと、真崎は静かに口を開いた。
「確かに俺は痣大好きだし、この写真もあの写真も俺の大切なコレクションで興奮する。だけどな、一番は田部のだから。俺をあそこまで興奮させたのはお前だけだ。これだけは忘れんなよ」
そう、あまりにも真面目な顔をして言うものだから、田部は慌てて言葉を返す。
「んな、何言ってんだお前は。そんなんに一番も糞もあってたまるか。ふざけんな、死ねっ」
悪態をつきながら思いっきり扉を閉めて真崎の部屋を出ていき、後ろから聞こえてくる「田部、忘れんなよ」という声のことは無視をした。
ドスドスと足を鳴らしながら部屋へ戻ったところで、田部は当初の目標を達成できていないことに気づきチッ、と舌を打つ。
「ったく、なんだよ一番って。あほかっつの」
ベッドにダイブしながら呟いた言葉は少しの甘さを含んでいたが、静かな部屋に吸い込まれてしまい、誰にも届くことはなかった。
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