痣フェチ×不良


「真崎、写真ってお前何撮るつもりなんだ」
「何って痣だよ。あ、大丈夫。田部はじっとしてるだけでいいから」

そういって鼻息荒く写真を撮っていく様は異様で、自然と腰が引けてしまう。居た堪れなくて少し身じろぎをすると、鬼の形相で睨みつけられた。

「ちょっと田部、動くなって言ったろ」

そう怒鳴られて思わず「わりい」と口にするが、自身が謝る謂れはないと思い直す。文句を言ってやろうと口を開こうとしたところで痣に触れられ「っあ」と思いがけず上ずったような声が出てしまった。真崎にチラリと視線をやると、奴は痣にしか興味がないのか特に気にした様子もなくうっとりとしている。

「っあーマジ最高。何この痣。こんな完璧な痣生まれて初めて見たわ。色も形もほんっと俺好み。今まで生きててよかった」

本当に幸せそうな顔をしながらそう言うものだから、拒絶しようにもなんとなく躊躇われる。まあ見て触られるくらいなら、と思い天井のシミを数えながら真崎が満足するのを待つ。
23個目のシミを見つけ異様な達成感に包まれたところで、カチャカチャとやけに聞きなれた金属音が耳についた。不審に思い音のした方に顔を向けると、ちょうどパンツから取り出された真崎のモノが目に入る。我慢汁をだらだらと流しながら天を向いているモノに、ヒッと喉に詰まったような声が出てしまった。

「真崎…?」

到底理解できない状況に震える声で呼びかけると、真崎は目を痣から放すことなく言葉を紡いだ。

「いやあ、こんな綺麗な痣初めてみたもんだから興奮しちゃって。田部は気にしなくていいよ。痣だけ貸してくれたらいいから」

痣に手を置いたまま、その場でモノを扱き始める真崎に田部は慌てて止めにかかる。

「お、おい、真崎。スルならせめて部屋でしろよ。な?とりあえず落ち着けって」

真崎、止めろ、落ち着け、と何度も繰り返すが、真崎の耳には届いてないのか奴は一心不乱に手を動かしている。目線は痣に固定されたままで、ぶれることは決してない。そろそろ絶頂を迎えるのか、真崎の息が上がり始め、白濁混じりの我慢汁がカーペットに浸み込んでいく。ポタポタと糸を引きながら落ちていくそれを見ながら田部は泣きたい気持ちでいっぱいだった。

「あ゛ぁ、……ッはぅ、ン、っっ」

広がる独特の臭いと自身の痣にべっとりと付着した白濁に、田部は頭の隅で真崎が達したのだと理解する。達したことで正気を取り戻したらしい真崎はしまったという顔でおずおずと口を開いた。

「田部、その、ごめんな」

ティッシュを引き寄せ、痣にかかったものを拭き取ろうとする真崎の手をパシリと叩き、田部はふらふらと立ち上がった。田部、と申し訳なさそうな声がかかるが、無視を決め込む。一刻も早く一人になりたくて、自室に逃げ込み鍵までしっかりとかけてから扉にもたれかかる。目を閉じると、ついさっきまでの出来事が走馬灯のように駆け巡った。ずるずると座り込むと不自然に盛り上がっている下半身が目につく。田部は驚きで目を見開いたが、一度チッと舌打ちをしてから昂ぶっている自身を鎮めるため、そっと手を伸ばした。



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