5

ペルシカ
「…桃はね、この時期に咲く花なのよ。寒い冬から暖かい春のちょうど中間で、春の訪れを視覚で感じさせてくれるの。
……桃を見ると、春がくるんだなぁって、わくわくしちゃう」

ヒスイ
「あぁ…あの色、おまえみたいだもんな…」

ペルシカ
「え?」

ヒスイ
「え!あ、いや……そう聞くと、モモっておまえみたいだなって…。
色もそうだが、なんつうかこう、あったけえ気持ちにしてくれるとことか、厳しい時を強く耐えてきたとことか……うまく言えねえけど、おまえが花になったらモモみたいな、見た目華やかなだけじゃないモンなんだろうなって…」

ペルシカ
「……ありがとう。私もね、この時期に生まれたから、ペルシカという名をもらったのだと思うの」

ヒスイ
「関係ある名前なのか?」

ペルシカ
「ふふ、そのまま。どこかの国の言葉で“桃の種子”という意味らしいわ」

ヒスイ
「種子……つうことは、まだこれから花を咲かすんだな」

ペルシカ
「そうね。いつか素敵な花になるために芽吹くのでしょうね…」

ヒスイ
「それなら俺も協力する。立派な花咲かせてやろうぜ!」

ペルシカ
「ふふ、そうね。……ありがとう」



×××

|


back


home

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -