短編
ゆるっとカルデア5

※台詞ばっか

「えっとね、ファラオは1番手固定でしょ?」
「うむ。」
「で、イベント周回2番手はジーくん、3番手はギルくん。」
「通常通りではないか。」
「うん。だけどね、イベント特効霊装付けたいから控えはフレンドのサポートサーヴァントさんとマシュだけ。」
「猫はいいのか?」
「タマモちゃんはジーくんの為の塵集め部隊の控えやって貰ってるから…。」
「その部隊、余も入っているが?」
「ファラオ分かってるでしょう……言わせないでください。」
「分かっておる。何も言うまい。」

タマモキャットが作ったおやつに舌づつみを打ちながら、ファラオ オジマンディアスと贋作復刻イベントを走る為の作戦を練っていた名前。

「しかし、つい最近霊基再臨させたキャスターの者とアーチャーの者…嗚呼、あとランサーも居たか。彼奴達との絆はどうだ。」
「ジーくんの霊基再臨素材の塵集めしながら頑張って絆貯めてるよ。でもまだ1。私の魔力が少なくて連続してレイシフト出来ないの。」
「あの黄金の果実が60個以上ストックされているが?」
「リンゴが体力回復アイテムでストック60個越えって某パズル乙女ゲームじゃないんだから…。」
「貴様最近そのゲームとやら全然ログイン出来ておらんだろう。クリスマスに燃え尽きたそうではないか。」
「なぜ知っている!?私がマスターになったのはクリスマス後なのに!!しかもファラオが来たのはお正月後なのに!!!」
「ついったーとやらを見た。」
「誰だファラオに私のTwitter見せたの!?」
「赤目のバーサーカーだな。」
「ハイドくぅぅん!!!!」

ぐしゃ、と作戦を書いていた紙を握り項垂れる名前をさぞ面白がって見つめるオジマンディアス。

「貴様、ああいう男が良いのか?」
「む?ゲーム??」
「あの黒髪の未亡人が。」
「……。」
「そう言えばあの黒髪の未亡人、心做しか声が最近呼符によって漸く喚べた緑衣のアーチャーに似ていたような。嗚呼、バーサーカーにもいたか。」
「ファ、ファラオと声帯の妖精さんが同じ王子様も好きだもん!」
「誰もそんなことは聞いていない。」
「ふぎゃん!」

スコン、とオジマンディアスがいつも持っている杖で軽く叩かれると、名前はその場にうずくまってしまった。名前はゲームが好きだし漫画も好きだ。だが普通にファッション誌も読むし難しい小説も大好きだ。なぜみんなそう言う「年頃の少女らしい所」を汲み取ってくれずオタク要素しか汲み取ってくれないのか。

「こんどすいっちとやらを購入してくれ。皆で遊びたい。」
「遊びたいけどあれ高いし何処にも売ってないんだもん。」
「転売ヤーとやらのせいか。」
「ファラオまじで何処でそんな言葉覚えてくるの?そんな記憶ポイしちゃってください。もしもニトちゃん来ちゃったら不敬と言われるだけじゃすみませんよ……。」
「フン。」

やはり、我がカルデアに居るオジマンディアスは何処か可笑しい。別軸のマスターさんとフレンドになり、彼にオジマンディアスを借りたことがあるがもう少しなんかこう……王様〜という感じの人だった。しかし、名前の近くにいるオジマンディアスはと言うと。

「まぁそういう奴は何れ滅びれば良いのだ。ところで此奴に持たせる霊装だが……。」
「え、あ、うんうん……。」

どれだけ不敬な態度をとっても最終的には許してくれるし、優しいし。何か違う。

「(個体差、かぁ。)」

とんでもない個体差だが、自分の元にいるオジマンディアスがこの性格で良かったと常々思う。

「(お父さんみたいで、安心する。)」

そっとオジマンディアスに体を預けると「眠いのか?」と尋ねられる。ううん、と横に首を振るとそうか。では続けるぞ、と。やはり優しい。

「(本当に、このオジマンディアスで良かった。)」

心地よい温かさ。名前はオジマンディアスの言葉にうんうんとうなづきながらそう思ったのだった。





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