短編
キミガタメ

※晴明の妹主人公
※6章クリアしてカッとなって書いた。反省も後悔もしている。

「お兄様。本当に…やるの?」
「ええ。私の想いは変わりませんよ名前。」

風で木がサワリと揺れる。お兄様の予言だと此処に太陽の巫女が現れる。神獣なるウサギに聞かれないようにした私達の会話。
お兄様…安倍晴明はやらなければ行けない事がある。その為には太陽の巫女が…護人が必要だ。類まれなる力を持つ陰陽師のお兄様。私はお兄様が何をしたいのか…何となく、分かる。それが例え褒められたもので無くても、私にとってお兄様は世界だった。お兄様が望むなら、私はどうとも思わない。きっと私は今から現れる太陽の巫女とも仲良くなるだろう。しかし、そんな彼女を裏切る事になってでも、私はお兄様を応援するのである。それが私なのだから。大好きなお兄様の為なら…何を犠牲にしても構わないのだから。

「お兄様。」
「…何だい?」
「お兄様は……。」

私の事、好きですか。
そう言おうと思ったが頭を振った。馬鹿馬鹿しい。お兄様にとって私などしがない妹に過ぎないのだ。

「…名前は、お兄様の健闘を祈っています。」
「ありがとう…名前。」

お兄様の悲しそうな背中を見つめ私はそっと瞳を閉じた。嗚呼、もうすぐだ。
天才陰陽師の妹は天才預言者。太陽の巫女は、もうすぐ現れる……。

キミタメ



[*prev] [next#]


×
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -