短編
病めるパンドラ

(夢100/ハク/男主)
※ハク月覚醒ネタバレあり※


ハクは変わってしまった。
前はこんな人じゃなかったのに。

僕を強く強く抱き締めるハク。瞳を静かに閉ざし、まるで僕の心音でも聞いているかのようだ。


「名前…」

「……どうしたの?」


僕の髪を優しく撫でていたものの、瞳は欲情に溢れ、薄く口角が上がっていた。
どうしたの、ともう一度訪ねる。するとハクは僕の瞳を手で覆い隠し……そして噛み付くかのようなキスをした。


「っ!んん……!ふ、あ……」

「………」


急だった事もあったし、何よりそのキスが舌を絡める大人のキスだったから…僕は直ぐにハクの胸をドンドンと叩き離れるように頼んだ。チュッとリップ音と共に離れた為に、何故か異様に恥ずかしい。


「………ハク、君は変わった」

「……そう、か?確かに…俺は怒りを知り、そして恋…愛する事を、知った」

「…それ、は…とても良いことだと思う。でも、だからと言って…。君は、こんなに独占欲が強い人じゃなかった……!!」

「………?俺は、名前…お前が他の奴と話しているのが、一緒に居るのが…嫌いなだけだ…。トロイメアの姫だって、名前と同じで「違う。違うよ、ハク」…………???」


不思議そうに此方を見つめるハクに何とも言えない気持ちになる。言って、大丈夫なのか。これ以上、酷くならないか。
いや、しかし。こうなったハクを戻すには、現実を見せるしか方法が無いだろう。


「ハク……僕とトロイメアの姫様、同じだって?ううん、違う。トロイメアの姫様にはこんなことしてないよね。何で僕には手錠をするの?足枷をするの?部屋に閉じ込めるの?ねえ、ハク教えてよ」


僕の言葉にハクは驚いた表情をしていたが、直ぐにクククッと笑う。僕の髪をクシャリと掴み、そして強く引っ張られた。


「名前を守る為に、決まっているだろう?…名前を苦しませるのは、俺が…許さない。名前は俺のものだ。そうだろう?」


妖しく笑ったハク。しかし、その瞳には光が宿っていなかった……。


病めるパンドラ

(お前が他の者と話しているのを見ると…理性を無くしてしまいそうだ)ウチのハクさんヤンデレ化した。独占欲強すぎぃ……。
「〜だ。そうだろう?」はメインジャンルの唯一レア5である彼の台詞みたいになってしまった。まあ、cv.鳥海さんってのは同じだし、良いかな?

title:Javelin




[*prev] [next#]


×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -