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不意の笑顔が、


「ねぇ、零」
「何だよ」
「駅前にね、クレープ屋さん出来たの」
「行かねぇよ」
「まだ何も言ってないのに」

零の馬鹿。そう言ってぷくっと頬を膨らませる巫都に零は内心ほくそ笑んだ。お前の考えてる事ぐらい、分かる。巫都は甘い物が好きだし、まず何より急に「ねぇ、零」と自分を呼ぶ時は何かしら頼みがある時だ。

「出来たところの店なんて、混んでてたまったもんじゃねぇ」
「そう言えばそうだね」
「コンビニにある、安いパフェなら奢ってやるよ」
「え!!」

いいの!!ぱあっと明るい笑を浮かべた巫都に零も微笑む。そうだ、俺はこの笑顔が好きなんだ。


不意の笑顔が、好きだった

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