真っ直ぐな瞳が、
「零、アイドルになるの!!」
「まだ決まった訳じゃねぇよ」
「夢ノ咲学院に行くって事は、つまりそう言う事でしょ?」
「まぁ……そうだわな」
何でこんなモン書かなくちゃなんねぇんだ。俺はヒラヒラと紙を掴んだ。所謂【進路調査表】と言われるものだ。中坊最後の年、目指す進路先に向かってやれ勉強だ面接だと忙しねぇ。面倒なもんだ。
「巫都はどうすんだ」
「私はね、お母さんみたいに女優になるの!アイドルでもいいかも。君咲を志願しようかなって」
「君咲……いいんじゃねーの?」
キラキラとした表情はとても眩しいものだった。いいな、巫都のそう言う顔。
「離れ離れになっちゃうね」
「君咲と夢ノ咲はアイドル育成校だ。卒業したら会えるだろ芸能界で」
「かなっ!?会えるかなっ!!」
グイッと俺の顔を覗き込む巫都。その勢いと、真剣な表情に俺は思わず笑ってしまった。
真っ直ぐな瞳が、好きだった
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