BL Novel | ナノ

青姦

護人探しの旅に同行している、ある日の事。その日は野宿になり、簡易的な寝床をそれぞれ作って各々睡眠を取ることになった。
俺は適当な木の下、落ち葉が敷布団代わりとなってくれる場所を選んだ。勿論、いつ何時式神が現れるか分からないから…巫女には近い場所。まぁ、巫女の元にはイナバも居るし、そのイナバ目当ての夏目も居るから心配は無いのかもしれないが。

「(後、アイツも)」

俺より強いのは分かっている。それでも、俺はアイツを守りたい。アイツに守られたくない。守りたいのだ。
アイツ、は晴明の事だ。幼少期を共に過ごした…兄弟、家族…いや、それ以上の。

「(あ?)」

晴明は俺が床に選んだ木の近く、別の木にもたれ掛かるように眠っていた。が、俺が目を覚ますとそこには居ない。月はまだ真上に差し掛かったばかりのようだった。

「(晴明…アイツ何処に行きやがった。)」

久しぶりにあってもアイツは変わっていなかった。そこに安堵したし、そんなもんかと落胆した。相変わらず何を考えてんのか分からないし、俺には厳しいし。まぁ、この珍道中面子からしたら、色んな意味で一番の常識人かもしれない。そんなアイツだからこそ、他人に弱みを見せようとはしないし、自分の想いをちゃんと伝えようとしない。微笑みの裏で彼奴が何を思い、どうしたいのか等…他人が知る事は到底不可能だった。
しかし、俺はそうじゃないと思いたいのだ。アイツと共に過ごした俺は、この中では一番アイツを理解していると自負したいと思っている。

「(晴明の事だ。きっと寝付けなかったんだろう。じゃあ何処に?風に当たりに行ったのか?)」

そう言えば、と思い出す。
飯の準備の為に薪拾いをしたのだが、そこで川辺に出たのだ。川のせせらぎと、風に揺れる木々の音が心地よかった。嗚呼、アイツならきっとそこに存在に気付いている。そこに居るに違いない。

「………やっぱりかよ。」
「?嗚呼、晋作…貴方も目が覚めたのですか。」

ふわりと微笑む晴明。嗚呼、やっぱり昔と変わんねぇな…なんて。砂利を踏み歩き晴明の隣に立つと甘い香りがした。

「そう言えば晋作、大きくなりましたよね。」
「はぁ?あー…まぁな。昔はお前と変わんなかったんだもんな。」
「ええ。知らない間に私を抜かして居たのですね。」

お前は俺の母親か。
元々旅をしていて、このツッコミを何度入れたくなったものか。

「一緒だった頃が懐かしいですね。」

ふふ、と笑い俺の頭を撫でる。
ほら、俺の前の微笑みと…他の奴等が居る時の微笑みと違うんだよ。ふわふわ柔らかくて、そして、甘ったるい。気付けば俺より少し低いその身体を抱き締めていた。

「おや。」
「…あったけぇ。」
「……生きていますから、ね。」
「…だよな。」

嗚呼、あの日を思い出しちまう。何度忘れようとしたか忘れた、あの日の記憶。
燃える家、死を選んだ師匠。俺を止める晴明。
嗚呼………。

「晋作!」
「っ!あ………わ、ワリィ…。」

抱きしめる力が強くなっていたらしい。晴明の声に俺は我に返った。何となく気まずい雰囲気になり、まずは晴明を抱き締めていた腕を離そうとした…のだが。

「私は生きています。」
「っ……。」
「生きて、いるんですよ。」

俺の腕の中で、何処か遠くを見詰める晴明に嫌な気配を感じた。それは、いつか此奴が何処か遠くへ行ってしまいそうな。いや、確かに今まで離れていたのだが、そんなものは比べ物にならないぐらい…より遥か遠い所へ行きそうな…そんな予感、が……。

「っ!?し、晋作……?」

俺の徒ならぬ気配を感じたのだろう、晴明の表情に焦りが見え始める。俺は晴明の声を…何処か遠くで聞いていた。意識はちゃんとある筈なのに…。俺の名を何度も呼ぶ此奴が、再び出会えた此奴が…また離れていくのかもという"恐怖"。それが俺を包んでいた。
必死に俺の腕の中から抜け出そうとくものの、力は俺の方が強い為にそれが叶わない。

「晋作っ!離しなさい!」
「黙ってろよ。」
「っ……。」

耳元で低く呟くと、その身体が微かに跳ねた。顔が微かに紅潮し、それを必死に隠そうとしているのか縮こまる。嗚呼、何でこんなに可愛らしい反応しやがるのか……。

「なぁ。」
「な、何ですか…?やっと離す気になりましたか?」

顔を隠したまま、そう答える姿に加虐心がむくむくと湧いてくる。仄かに紅く染まった耳を軽く噛んでやる。

「ひっ!?」
「……。」
「し、んさくっ!?貴方何を考えているのですか!」

何を、か。自分でも分からなかった。だが、身体が勝手に動く。此奴が何処にも行かないようにしなければと。俺を刻み付けておかねぇと、と言う想いに駆られ、動いているのだ。
服の隙間から手を入り込ませ、下半身に触れる。下穿きの上からでも分かるぐらい、そこは大きくなっていた。

「は、何を感じてンだよ。」
「〜〜〜〜……。」

遂に茹で蛸の様に真っ赤になった晴明に虐めすぎたかと思うも、もっとその表情が見たいと言う欲も湧き出して。腕の中から解放し、その細腕を掴んで森に入っていく。晋作、離して、という晴明の声等聞こえぬフリ。俺は適当な太さを兼ね備えた木に晴明の身体を預けさせた。

「本当に貴方は乱暴ですね……!」
「うるせぇな…。萎えるだろうが。」
「萎え、ってちょっ!晋作!?」

此奴のこんな慌てた声なんて巫女や他の奴等は知らないんだろうな。そう思うととても優越感に飲み込まれる。
俺は自分の髪結いの紐を解き、それで晴明の腕を縛った。

「な、にをする気です?」
「何をってお前な…さっきので分からねぇのかよ……。」
「分かっているからこそ、理解したくない為聞いているんですが?」
「はぁ…めんどくせー…。」
「面倒臭いなら解きなさい!」
「面倒なのはテメェの態度だよ、馬鹿。」

縛った腕と木を俺の手で縫い付けら晴明の和装を開けさせる。下穿きに手をかけようとした時に零れた此奴の止めて、の声は勿論聞き受ける気は無い。

「もうイキそうじゃねぇの?」
「う、るさい……。」

大きく反り返ったソレは俺が軽く触れただけで先走りを滴られる。先走りを満遍なく塗り付け、一気に扱き上げる。

「ひぁぁっ!?」
「女みてぇな声だな。」
「う、うるさ…んんっ!は、あぁぁッ!」

グリグリと先端の窪みを爪でほじくってやると、甘美な声で鳴く。目はとろんと蕩け、口は開きっぱなし。

「1回イっとくか…?」
「ひぁぁ、や、ら……っ、ンンンンっっ!!」

ビュル、と勢いよく吐き出された白濁液。濁った目で、涎垂らして息を整える晴明の…欲情をそそる姿。ゴクリと唾を飲み込んだ。

「裏向け。」
「は、え?」
「裏向けっつってんだろ。んで尻突き出せ。」
「な……あの、腕……。」
「大丈夫だろ。」
「…理不尽な……。」

渋々といった様に裏を向く晴明。しかし、それで止まり、俺の言った尻を突き出す事はしない。

「尻。」
「…………。」
「お前はイったのに俺はイかさねぇ気かよ。」
「だ、って…それって、つまり……。」

しどろもどろなその言葉に、恥ずかしそうに目線を合わすことを避ける姿。いつもの凛とした雰囲気はそこにはない。

「そういう事だよ。」
「………ぃ。」
「あ?」

何かをボソッと呟かれたが、聞こえる筈がねぇ。聞き返すと真っ赤になりながら。

「痛く、しないで下さい……っ!」

嗚呼、やっぱり此奴は俺のだって、刻み付けてやらなければ。


「ひ、んん……ふ、ぁ…。」
「チッ……まだ1本しか入らねぇのかよ…。」

先程晴明が出した白濁液を指に絡め、後孔に挿入する。が、ナカは狭く、指を中々受け付けず…やっと1本入ったと言う段階だ。
月が少し傾き出している。

「いてぇか?」
「いた、くはない…です。けど、異物感…が……。」

まぁそりゃそうだわな。本来出すべき所に入れてんだから。だが、男同士はそこを使わないと繋がれない。俺は緩く出し入れを繰り返す。

「ん、ふ……はぁ…んんぅ…っ!」
「増やすぞ。」
「んぁっ!う、うぅ……。」

どんどん喘ぎ声に艶が入り出す。縛られた腕を木に必死に押さえつける姿が妙に支配欲を満たしてくれた。
ぐちゅ、とイヤラシイ音と共に指を3本に増やす。ご無沙汰なモノに触れてやるとビクリと身体が震え、喘ぎ声が更に大きくなった。

「バレてもいいなら構わねぇが、少しは声抑えとけよ?幾ら離れてるとはいえバレるかもしれねぇしな…。」
「!あ、ぅあ…し、んさく……。」

脚ががくがく震えている所を見ると、そろそろ限界か。指を引き抜くと唾液や白濁液やらが糸をひいた。

「せ、つない……。」
「は?」
「ここ、が…ぎゅ、って……せつな、くて………。」

ぽろぽろと涙を零し、下腹を押さえるその姿。ぞくりと背筋が泡立った。嗚呼、気付いてねぇんだろうな。今の晴明、スゲェ色っぽい顔してるんだぜ。女の顔。俺のが欲しくてたまらない、って言う、欲情しきった雌の顔を。

「俺が、欲しいかよ?」
「あ……晋作…。」
「なぁ…晴明?」
「ほ、しい……晋作が、欲しい………っ!」
「ん……。」

唇を奪っていた。そして、狭い入口をこじ開けて、ナカに俺自身を突き入れる。晴明はボロボロと涙を零しながらも、俺からの口付けに必死に応えていた。舌を絡め、吸い、歯列をなぞる。時々喘ぎ声が漏れそうになるが、漏れる前に深く口付ける。誰にも聞かせたく無かった。俺に犯されて鳴く、甘美な声を何にも。
グチュグチュと卑しい音が激しくなると同時に、俺は晴明の腕を縛っていた俺の髪結い紐を解いた。それを期に必死に木にしがみつこうとする晴明に苛立ちを感じ、1度己を引き抜いた。

「や、らぁ…っ!なんれっ……!」

理性なんてとうの昔に吹き飛んでいるのだろう、あの真面目で堅物な晴明の姿はそこには無かった。ただ、浅ましく雄を求める雌。俺はハッと笑い、晴明に俺に抱きつく様に支持を出す。怪訝そうにしながら首に腕を回す晴明の片脚を上げ、ひくひくと誘う後孔に宛てがう。

「は…ぇ?」
「大丈夫だ。止めたりなんかしねぇよ。」
「え……っ、ああああああっっ!!??」

ズチュッ!
一気に奥に挿入すると晴明の目が見開かれた。開いた口から涎を垂らし、言葉にならない母音でずっと鳴き続ける。

「あ、あぁぁっ!し、んさくっ!あ、あぅ!んぁぁっ!」
「チッ…。」

誰かに聞かれていないと分かっていても、いい気はしなかった。再び口付けを交わし、俺も限界を迎える為に打ち付ける速度を速めていく。

「ん、ンンッ!ん、ぁっ!ん、ンンンンっっ!!」
「ん、くっ!」

ビュルビュルと奥に白濁液を吐き出す。晴明を見ると、白濁液を吐き出していないようだが果てているようだった。

「は、マジか。」

しかも意識がトんだと来た。俺は自身を引き抜き、晴明を行為を行った木の近くに寝かせる。ごぽっ、と溢れ出てくる白濁液が目に毒だった。が、このままだとどち道腹を下す事に気付き指で掻き出してやる。ナカはきゅうきゅうに締り、俺の指を離さんとしていたが…。流石に鬼と言われる俺だってそこまで鬼じゃねぇ。

「……何処にも、行くなよ?」

ボソリと呟いていた。そうだ、俺は何故此奴とこの行為に至ったのか…それは此奴がどこかに言ってしまいそうな雰囲気を出していたからだった。そんなのは、俺が許さない。絶対に。お前は俺の物だ。故に、刻み付けてやった。だから、だから…。

「何処にも行かねぇって…言ってくれよ晴明…。」

お前が答えてくれる訳なんて無いって、知ってっけど。

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