夢の中
そこは草原で、目の前に顔はよくわからないけど、私と同じ髪の色、似たような服を来た少年がいる。
名前も知らない少年。
ここ最近見る夢で、その少年の声を聞くとなぜか心が安らぐ。
「ねぇ、楽しく歌えるコツとかってあるの?」
「んーー、普通に歌うのは楽しいからわかんないなぁ
君は楽しくないの?」
「う…、そんな事。ない…けど」
正直に言うと楽しくなかった。
むしろ辛いだけで。
「そっか。じゃあ、俺と一緒に歌お♪」
そう、手を差し出してくれる。
手を取ろうと、したがはっとなり引いてしまう。
「でも、私っ」
「いいからっ♪」
そう言って無理矢理私の手をひっぱる。
彼の歌声を聞いてるとだんだん歌うのが楽しくなってきた。
「ね、楽しいでしょ♪
歌う事は楽しいんだよ。
楽しいと思えなかったら俺の事思い出して。」
そう言って草原の向こうへ走っていってしまう。
私は追いかけようとしたけど、どれだけ走っても、前に進まなかった。
「待って!!あなたの名前はっ…!!!」
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