マカロンの憂鬱


「どうでしょうこの内容で契約していただけませんか?」
「……悪くないな、いいだろう」

男はダンテの返事を聞いてほっ、とため息をついた
ダンテはペンを取って書類にサインをする

「パパーっ!!」
「!」

大きな音を立てて扉が開かれた
扉を開けた人物は目を輝かせてダンテの側まで近寄り彼の膝の上に1枚の画用紙を乗せる
それを見たダンテは息子トニーを膝の上に乗せた

「絵を描いたのか?トニー」
「うん!これがパパ、こっちがママ!」
「…これがトニーか?」
「うんっ!!」

嬉しそうに微笑むトニーの頭をダンテは優しく撫でてやる
その様子を呆然と見ている取引相手の男、そこにメイドがやってきた

「トニー様!!会議中だからこの部屋には入っていけないと…すみませんダンテ様!」
「かまわん、もう終わったからな。玄関までお見送りしろ」
「はいっ!」

ダンテはそう言うとトニーを抱き上げて部屋を出ていった
部屋を出たダンテは庭へと向かう
そこに花の手入れをしているナナがいたからだ
母親の姿に気づいたトニーはダンテに降ろしてもらいナナに抱きついた

「ママ!」
「トニー、どうしたの?…あ、ダンテさん」
「トニーが絵を描いたんだ。見てやれ」
「絵…?まぁ…」

下でトニーがナナに画用紙を押し付ける、それを受け取り絵を見てみると3人の人間が仲良く手をつないで並んでいる。真ん中にトニーそしてその両隣にダンテとナナの姿があり仲良く手を繋いでいた

「すごくいい絵ねトニー。部屋に飾ろうか」
「これママにあげる」
「え?いいの?」
「うんっ!ママのためにかいたんだ」
「…ありがとうトニー」

頭を撫でてやるとトニーは嬉しそうに目を細めた
そしてすぐに庭に落ちていたボールを拾って一人で遊び始める
そんな息子をダンテとナナは二人寄り添いながら見守る

「トニーのやつ…俺には絵はないらしいな」
「ふふっ、私の方が大好きって事でしょうか」
「……気に入らないな」

ナナの顎をつかんで自分の方へと向かせる

「…もしかしてヤキモチですか?」
「…いくら息子でもお前を一人占めするのは許さねぇな」
「今だけですよこうして懐いてくれてるのは…大きくなったらきっと離れます」
「パパー」

トニーが遠くからダンテを呼ぶ
ナナはダンテの背中を押してやる

「ボール遊びはダンテさんがいいそうですよ、行ってあげてください」
「……仕方ないな」

そう言いながらも息子からの指名に口元を上げたダンテを見ながらナナは二人を微笑んで見ていた





息子はダンテのライバルでありダンテにとって一番敵わないといいなぁ、息子にヤキモチやく黒様もいいのでは?黒様は自分以外の男がヒロインを喜ばせたりするのが気に入らないのです、たとえ息子であっても
黒ダンテ連載の数年後夢ということで息子も成長して幸せに暮らしている家族夢でした。サオリ様この度は20000HIT企画に参加してくださりありがとうございました!
少年チラリズム
110422


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