甘いロックに酔っていた


デビルメイクライ
その事務所はスラム街の外れにあり、人はあまり来ない
その事務所の前を掃除するひとりの女性がいた
彼女――ナナは朝早くから起きて掃除をしていた

「ふぅ…これで全部かな?」

ナナは集めたゴミをかき集めて袋を縛るとそのまま事務所の中に入っていく
時計を見てもうこんな時間だ、と2階へと続く階段を上っていく
ここの主、そしてナナの恋人を起こしに行く

「ダンテさん、起きてください」
「ん……」

起こされたダンテはうっすらと瞳を開ける
そしてナナの首に両手を回して引き寄せると彼女の頬にキスをする

「おはようナナ」
「お、おはようございます……ダンテさん」

未だにこの行動に慣れないナナは頬を赤くして挨拶をする
そんな彼女が愛しくて堪らないダンテだった。ナナは慌ててダンテから離れると部屋のカーテンを開けて上半身裸のダンテに急いで服を渡す
彼の裸も未だに慣れない、一緒に暮らして数年は経つというのに

「ほらいい加減に起きてください。朝ごはん冷めちゃいますよ」
「あぁ、わかったよ」

1階へと降りていく彼女の背中を見送りながらダンテはベッドから起き上がり服を着て1階へと降りていく
テーブルには食事が並べられておりナナもすでに座っている。ダンテもその隣に座った、普通は向かい合わせで座って食べるのだが隣に座るほうが近くに感じられるから、との事で隣同士に座って食べている

「おいしいですか?」
「あぁナナが作ったものならなんでも上手いけどな」
「ありがとうございます…」

またも照れるナナの頬を手の甲で撫でてやる
そこにレディがやってきた

「あらお邪魔だったかしら?」
「まぁな」

ダンテは明らかに嫌そうな顔をしてレディを見る
ナナはレディに飲み物を出して向かいの椅子に座らせる
ありがとう、とレディは微笑んだ

「ダンテ今日は仕事でしょ?全然来ないからこうして迎えにきてあげたのよ」
「……あぁわかったよ」

そういえばそんな約束をしていたな、とダンテは頭を掻いて立ち上がり2階へと行く
二人きりになってしまったナナは紅茶を飲む
レディのような女性はナナは苦手だったりする。露出の激しい服を着たり、ずけずけというレディの言葉も苦手だ

「毎日大変ね彼の世話をして」
「あ、いえ…もう慣れましたから……」
「ふーん…」

レディはそう返事をすると紅茶を飲む、ナナも同じように飲んだ
早くダンテが降りてこないだろうか

「でも…ダンテももう貴方がいないと駄目みたいね」
「え?」
「彼仕事が終わったらすぐに貴方の所にまっ先に帰るのよ。遅くなるのは彼女も承知の上でしょ?って言ったことがあったのよ、そしたら」

『俺の為に毎日料理を作って待ってくれてるナナが可愛くて仕方ないんだ』

レディから聞いた言葉にナナは嬉しさと照れが同時にこみ上げて来て思わず顔を赤くさせた

「行ってくるぜ」
「いってらっしゃい…あの」
「ん?」
「……今日もおいしいご飯作って待ってますから、だから……帰って来てください」

ナナの言葉にダンテは微笑むと彼女の額にキスをして出かけた





ヒロインがもう嫁さんみたいな関係だけど結婚していない一歩前。ダンテの身の回りの世話を進んでするヒロインで…そしてダンテもそんなヒロインに家のことを任せられるから仕事に出かけられる。そんな二人の関係です。この後レディとなんとなく打ち解けたヒロインはダンテのどこが好きだとか攻められて照れて困っているといいなw
ハジメ様この度は20000HIT企画に参加してくださりありがとうございます!こんなのでよろしければお持ち帰り下さい!
約30の嘘
110422


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