溶け込む温もりに抱きつきたくて


無事に任務を終えたクリス率いるチームが帰ってくる
訓練をしていた他の仲間たちもクリスやピアーズたちが帰ってくると笑顔で出迎える
己の獲物を部下に預けてピアーズはキョロキョロと周りを見渡す
そして目的の人物を見つけて嬉しそうに目を細めた

「そっちは急いで医務室に運んで!」
「了解!」

大怪我をしている隊員の傷を見てナナはテキパキと指示を出す
彼女はBSAAの中で一番の医者だと言われている、元々は普通の病院で勤務をしていたのだが彼女の病院での経験がBSAAの目に留まりスカウトされたのだ
今はこうして怪我をした隊員たちの為に惜しみなく働いている、彼女に治療されたほとんどの人間が無事に回復しているのだ

(今は忙しそうだな……後で声をかけるか)

久しぶりの彼女と会話をしたかったのだが忙しそうに動く彼女を見て残念そうにその場を後にした


数時間後
そろそろ彼女に会いに行っても大丈夫だろうとピアーズは医務室へと向かう
ノックをして中に入ればナナはまだ隊員の治療をしていた
どうやらその隊員は頭に軽い怪我をしたらしく包帯を巻いてもらっているところだった

「なぁナナ、今度飲みに行かないか」
「……私には彼氏がいるって知ってるでしょ?」
「内緒でどうよ?」
「馬鹿なこと言わないで」

彼は冗談のつもりなのだろうがピアーズからしてみれば自分がいるとわかっていて何という振る舞いをとっているのか
次の瞬間ナナはその男の頭を引き寄せて包帯をくくる、彼女にはもちろん全くその気はないのだが男は彼女の胸が自分の顔に当たりニヤニヤと頬を緩めている

「はい、終わったわ」
「あぁサンキュー…」

終わったと同時にピアーズが二人の前に姿を見せる
どこか怒ったような表情で男を睨みつけた、察した男は慌ててその場を出て行った
ピアーズが会いに来てくれた事にナナは嬉しそうに目を細めた

「おかえりなさいピアーズ」
「……あぁ、ただいま」
「わざわざ会いに来てくれたのね」

抱きしめあいながらナナは彼に声をかける
しかしピアーズは先程の男の言葉と顔の緩みを思い出して内心怒っていた
何も声をかけてこない彼に不思議に思って声をかける

「ピアーズ?」
「…なぁナナ、さっきのワザとじゃないだろうな?」
「え?」
「…さっきの男の手当てをしてたときに…胸を押し付けたのだよ」
「……ふふっ!そんなわけないじゃない、あぁして引き寄せないと包帯巻けないでしょ?」

笑う彼女にピアーズはふいっ、と顔を横に向けると小さく声を出した

「……わかってるけど、あまり俺以外の男にはして欲しくない……」
「!……ピアーズ、嫉妬だなんて情けないわよ。……嬉しいけどね」

仕事だから全然気にしてない、と言われるよりはこうして少しでも嫉妬してくれるのは嬉しい
彼の頬を両手で挟んでこちらに向けるとナナは少し背伸びをして彼の唇にちゅ、とキスをする
途端に彼のスイッチが入ったのか彼女の腰を引き寄せて先程よりも深いキスをする
白衣に手をかけられてナナの身体がビクリと反応する

「待ってピアーズ……ここでするの?誰か来たら」
「構わないさ、俺がお前を欲しいんだ」

奥の備え付けられてあるベッドへと移動してキスを交わしながら互いの服を脱がせていく、鍛え上げられたピアーズの肉体が露になるのだが身体の傷なども目に付いてしまう
ナナは彼の右腕の部分の傷を指で撫でる
数週間前クリスを庇ってできた傷だ、おそらくこれは一生残るだろう
胸がぎゅうと締め付けられてナナはその傷跡にキスをして舌を這わせる
どうかもうこれ以上傷が増えないで欲しいと願いを込めながら

「っ…ナナ」
「横になってピアーズ、私がするから」

仰向けに寝転んだ彼の足の間に入り自身を握り締めると片手で扱きながら口に含み舌を絡ませて愛撫をする、ピアーズの身体がピクリと反応して自身も段々と大きくなり固くなっていく
口の中で大きくなっていくのを感じながらもう片方の手で玉の部分を揉む
彼が唸ったと同時に口の中に欲が吐き出される、糸を引きながらナナは自身から口を離すと精液を飲む
よく飲めるものだ、とピアーズは呆れていたが嬉しくないわけではない
ナナを自分の寝かせていた場所へと押し倒すと自身を挿入して律動を開始した

「あっはぁっあんっああっあっぁっああぁっ」

甘い声で鳴くナナを見下ろしながらピアーズは彼女の太股を掴んでさらに大きく開かせる
彼女の感じる場所を的確に突き上げれば繋がっている個所から潮が噴出される
恥ずかしそうにするのだが感じてくれているのだと嬉しくなり更に律動が激しくなった

「気持ちいいか?」
「あんっピアーズ…きかないでっあっはっあああぁっ」
「ナナ…」

自分の体を前に倒して唇を塞ぐ、先程の自分の出した精液の味がして苦味を感じたが射精が近い事に気づいて先程よりも更にスピードを速める
悲鳴に近い声を上げながらナナが達する、それに続いてピアーズも己の欲望を彼女の中に吐き出した


ピアーズが目を覚ませば白衣を着たナナの姿が映った
彼女は彼に服を渡すと口を開く

「これから違うチームが帰ってくるから…早く着替えて」
「……あぁ」

ゆっくりと体を起こして渡された隊員服に着替える彼の背中をナナは見つめる

「……今日は早く終わる?」
「え?」
「……今夜はあなたと過ごしたいんだけど駄目かしら?」
「大丈夫だ、終わったら迎えに行くよ」

ナナとキスを交わしてピアーズは医務室を出て行く
この後の仕事が終わればまた彼と過ごす事ができる、そう考えるとナナも早く終わらせなければ、と準備を始めた





京様リクエスト夢でした、ちゃんと嫉妬になっているか不安です…ピアーズくんは照れながらも「他の男とはしゃべらないでほしい」とか言うといいですよ、内心なんて自分はガキなんだとか思ってたらいいです。はい
京様企画参加ありがとうございます!こんなのでよければもらってやってくださいませー
sugary
130328


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