チョコレートバニーの誘惑に勝てるかい


今日はハロウィンだ、と朝気持ちよく寝ていたところを叩き起こされてジェイクは不機嫌だった
無理矢理買出しに付き合わされて荷物持ちをさせられる始末、さすがに買出しに付き合えば解放されるだろうと思っていたのだが飾りつけまでも手伝わされてしまった

「たくっ…ハロウィンで喜ぶなんてガキまでだろ」
「そんな事ないわ、いくつになっても楽しめるものよ」
「どうだか…」

文句を言うジェイクにシェリーは言うのだが彼は首を傾げる
そしてふと気がついて彼女に声をかけた

「ナナはどうしたんだ?」
「ふふっ、奥で着替えてると思うわ。ジェイクも改めて惚れ直すんじゃない?」
「?」

惚れ直すとは一体どういうことなのか?と言いたげにジェイクはシェリーを見るのだが彼女は微笑むだけ
その時奥の扉がゆっくりと開かれて顔だけ覗かせたナナがシェリーを呼んだ
呼ばれた彼女は隙間からナナの姿を見て笑顔を見せる

「思ったとおり似合ってるわ!」
「で、でもこれすごく恥ずかしいんだけど…」
「恥ずかしくなんてないわ、とっても可愛い!ほら早くジェイクに見せてあげて」
「あ、ちょっシェリー」

扉の向こうでバタバタとしているナナの姿をジェイクはずっと見つめていた
そしてシェリーの力に負けて出てきた彼女の姿を見てジェイクは思わず息を呑んだ
魔女の格好をしているのだが胸の谷間が見え、スカートもとても短くて見えそうで見えないというラインだった
シェリーはナナの両肩に手を置いてジェイクに微笑む

「どう?とっても可愛いでしょ」

恥ずかしそうに見つめるナナにジェイクは目を逸らす
可愛いわけじゃない、自分の彼女が可愛くて仕方ない。だが目のやり場に困る
沈黙する二人の空間をシェリーが破った彼女は時計を見て慌て始める

「大変!後10分でクリスたちが来るわ」
「おい、クリスたちってことはあの野郎も来んのか?」
「ピアーズも?もちろんよ」

ピアーズとはなかなか合わなくてジェイクも気に入らない存在だった
だが彼にナナの今の姿を見せるとなるとすでに行動していた
彼女の手を引いて奥へと連れて行く、後ろでシェリーが声をかけていたが振り切った

「ジェイク?」
「さっさと着替えろよ、あいつにだけはお前のその格好は見せたくねぇ」
「……似合わなかった?」

悲しそうに尋ねるナナにジェイクは首を横に振って優しく声をかけた

「そうじゃねぇ、似合ってる…だからこそ他の野郎には見せたくねぇんだ。か、可愛いぜ…」

最後は照れて言いながら彼はナナに背中を向けた
そんな彼に微笑んでその大きな背中を後ろから抱きしめた

「ありがとうジェイク」
「っ…あ、あいつらが帰ったらまた着ろよ」
「うんっ」





121027


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