We are crazy about you


一台の車が店の前に止まる、そこは小さいのだがレオンも気に入っている喫茶店だった
彼は車から降りると彼の目的でもある女の子の姿を想像しては口の端を上げると店の中へと入っていく

「やぁナナ」
「あ、レオンさん!お仕事お疲れ様です」

カウンターを拭いていたナナが声をかけられて彼に微笑んだ
この笑顔は天使のようで仕事の疲れも吹き飛ぶほどだった
案内されてレオンはカウンター席に座るのだがそこにいた人物の姿を見て目を見開いた

「クリス…!」
「レオン…!?」

コーヒーを飲んでいたクリスがレオンの姿に驚いたように目を見開いた
途端に険悪なムードになるのだがナナは気にせずに声をかける

「クリスさんも仕事終わったので来てくれたんですよ〜二人とも毎日ありがとうございます」
「あ、あぁ…」
「いや……」
「レオンさん何か飲みます?」
「コーヒーを頼む」

ナナは返事をすると奥へと引っ込んでいく
途端に二人はにらみ合い口を開いた

「今日は遅かったんだなレオン、俺の勝ちだ。もう諦めたらどうだ?」
「数分遅れただけさ、これから口説いていくところさ。お前こそ気の利いた台詞の一つや二つ言えるのか?」
「何だと…!?」

バチバチと音がしそうなほど睨みあっている二人、そんな二人をナナはこっそりと見つめてその様子に微笑んでいた

(二人ともあんなに見詰め合うほど会話を楽しんでるんだなぁ〜)

自分の事で争っているなど知らないナナはニコニコと微笑んでいた
そして自分が用意したコーヒーに気がついてハッとなった
今このタイミングで持っていけば自分はジャマになるのではないだろうか?
どうしようかと考え込んである提案を思いつくと再び奥へと引っ込んだ

「悪いが今日は俺がデートに誘わせてもらうぞクリス」
「レオン…それはやめておけ。お前は周りを見た方がいいぞ」
「何…?」

クリスに言われて周りを見たレオンは殺気を感じた
そう、喫茶店には他にも客がいたのだがそれは全員クリスの部下達――BSAAのメンバーだったのだ
皆クリスの合図に一斉にレオンの方を見ていた。中にはピアーズもおりクリスに向けて親指を立てている

(隊長、いつでも準備オーケーです)
「くっ…!」
「これでわかっただろ?今日は諦めて帰るんだ。ナナは俺とデートするんだ」
「ふっ…甘いなクリス、俺も何も準備していなかったと思ってるのか?」
「何…?」

レオンが人差し指を口元に当てる
耳を済ませてみれば外で戦闘機が飛んでいる音が聞こえてクリスはハッとなった
その戦闘機はこの店を狙っているようだった

「悪いなクリス、俺は常に見守られているんだ(要はダムネのアレだ)…出て行かないならこの店にミサイルを撃ち込むぞ。タイラントだって一発だったんだ」
「そんなことしたらナナも死ぬぞ!?」
「お前が出て行けば問題ないだろ?」

勝ち誇ったように黒い笑みを見せるレオンにクリスは唇を噛んだ
お互い懐にある銃に手を伸ばしたときにナナがやって来た

「二人ともお待たせしました〜」
「「ナナ!!」」
「はい!?」

二人に同時に名前を呼ばれてナナは驚いたように返事を返す
クリスは右肩をレオンは左肩を掴んで一緒に口を開いた

「「この後俺とデートしよう!」」
「ぁ…えーと「ナナー!」

その時店にシェリーとクレア、そしてジェイクが入ってきた
思いもよらなかった人物達の登場にクリスとレオンは目を見開いた

「シェリーちゃん」
「準備できた?そろそろ出かけましょう」
「はい……あ、クリスさんレオンさんごめんなさい。今日は3人と出かける約束してたんです」
「そ、そうなのか……」
「あ…それと仲いいお二人の為に特別なパフェを作ったんで二人で召し上がってくださいね」

ナナが指を指した方向を見ればそこには可愛らしく盛り付けられたパフェが二つ置いてあった
あれをおっさん二人そろって仲良く食えと言うのか……
だがナナの笑顔を見れば断ることなどできない二人なのであった


We are crazy about you
(おい坊主)
(なんだよ)
(ショッピング中のナナの写真を撮ってくるんだ)
(やなこった、なんでそんなめんどくせぇ事を…)
(やるんだ。でないとお前の父親と同じ目に合わせるぞ)
(は、はい…)←二人に銃を突きつけられた


りこ様リクエストのクリスvsレオン夢でしたー^^何だかギャグっぽくなっちゃいましたが…落ちは二人とも勝てないであろうクレアとシェリーです。この二人のvsものは書いたことなかったので楽しんで書けましたー!!りこ様こんなのでよろしければもらってやってくださいませー!企画参加ありがとうございます^^
130119


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