照れ屋な君に柔らかな愛を
カーテンが風で揺れそれのおかげで光が差し込みナナの目を覚まさせた
彼女の体の上に太い男らしい腕が圧し掛かっている、重たいなと体の向きを変えてみれば瞳を閉じて綺麗に整えられた恋人の顔が見えた
無意識なのだろう、ダンテはナナの身体を引き寄せて力強く抱きしめる
彼は常に上半身裸で眠るので嫌でも彼の素肌に触れてしまう
顔が赤く染まる、今はまだダンテとは身体の関係がないため時々ふと思う…いつかこの逞しい体に愛される日が来るのだろうと…
「ん……」
「!おはようございますダンテさん」
「んん…」
かすかに微笑んでダンテはナナの唇におはようのキスをする
それは軽いものだったのだが彼女は思わず目を硬く閉じて彼の体を突き放した
「!」
「ぁ…と…ごめんなさい…」
驚いた顔をするダンテにナナはどんな顔をして謝ればいいのかわからなかった
ダンテは怒るわけでもなくそんな彼女の頭をガシガシと撫でた
朝ごはんの準備してきます、と言うとナナは部屋を出て行った
ダンテのスキンシップが嫌なわけではない
むしろ愛されているのだと、好きだからだ…
ダンテはいつも自分よりも好きだとか言葉にしてくれるし、ナナも嬉しかった
だけど自分がこんな性格な為…ダンテのように好きだとストレートに彼に言うことができない。自分もダンテが好きなのに…
* * *
「前に頼んでた依頼よ、さっそくお願いするわ」
「…わかったよ」
ダンテはいつもの赤いコートを着て武器を手に取り入り口に向かって歩き出す
が、その前にレディに紅茶を出していたナナの額にいってきますのキスをする
「いってくるぜ」
「…いってらっしゃいダンテさん」
そのまま出て行く大きな背中を切なそうに見送るナナ
そんな彼女を見つめながらレディは口を開いた
「相変わらずラブラブなのね」
「……あの、レディさん」
「ん?」
ナナが淹れてくれた紅茶を飲みながらレディは彼女を見る
するとナナは少し恥ずかしそうに俯きながら口を開いた
ダンテの事が好きで堪らないのにそれを言葉にして言えない事に、ダンテは自分を好きだと何度も言ってくれているのに…
それを聞いたレディはくすくすと笑った
「そんな心配しなくてもあの男は貴方に愛されてることわかってると思うけど?」
「でも……ダンテさんは好きだと言ってくれて私を幸せな気持ちにさせてくれてるのに…言葉で伝えないと不安にさせちゃうことだってありますよね?」
「ふーん……」
ダンテはわかっている、彼女が自分を愛していること自体
仕事で一緒だったときも彼に何度ノロケ話を聞かされたか…好きだと伝えたら彼女が顔を赤くして嬉しそうに微笑んだと、愛されているだろう?と…
けど彼女がこんなにも悩んでいるのだ、思いついたレディは口を開いた
「なら行動で伝えてみたらどう?」
「行動…ですか?」
「そうよ、言葉が無理なら行動で好きだと伝えることだってできるわよ」
貴方なりに考えてみてね、とレディは紅茶を飲み終えるとそのまま事務所を出て行った
残されたナナは行動なら自分にもできるかもしれないと力強く頷いた
* * *
「ただいまbaby」
「おかえりなさいダンテさん」
行くときと同じようにダンテはナナの額にキスをして自分のテーブルへと向かう
その彼の後を追いかけるナナ
ダンテは赤いコートを脱ぐとそのまま壁にかける、とその時背中に小さく体当たりされた
なんだ、と見てみればナナが後ろから自分の背中を抱きしめている
「ナナ?」
「………」
「……どうしたんだ?」
「え!?えーっと……」
もじもじとするナナ、依頼に行っている間寂しかったのだろうか?とダンテは思った
すると彼女は恥ずかしそうにしながら口を開いた
「伝わりませんか…?」
「え?」
「わ、私がダンテさんを…す……きだってこ、と…です……」
「………」
今の彼女の言葉でダンテはすべて理解した
言葉で伝えるのが無理なら行動で気持ちを伝えてきたのだろうと、大方レディにでも吹き込まれたんだろうと…
彼は喉の奥でくくっ、と笑うと彼女の手を外させて正面からぎゅう、と力強く抱きしめてやった
「ダンテさん…?」
「言葉にしなくてもナナが俺を好きだってことは十分わかってるぜ、俺に好きだと伝える為に色々考えたんだろ?それだけで十分だ…俺の事を想ってくれてるんだからな」
「ダンテさん…」
ナナは嬉しそうに目を細めるとダンテの大きな背中に手をまわして力強く抱きしめた
そのままダンテは彼女の唇にキスをした
照れ屋な君に柔らかな愛を
(風呂にでも一緒に入るか?Darling?)
(!!そ、それは無理です〜)
(hmm…そんなに可愛い反応されたらこの先俺が我慢できるか心配だな)
睦月様リクエスト夢です!
もうこのダンテとヒロインの関係の話を書くのはこれで3度目なのですが私自身もこの設定が大好きです!今回はヒロインさんがダンテに気持ちを伝える為に頑張るという感じで書きました、んでもってダンテはまたこの事をレディに惚気てるといいな〜とか思います^^
睦月様!こんなのでよろしければお持ち帰りくださいませ!
エトワール
120702