穴だらけラブソング


どうか傍にいて、離さないで…


スラム街の外れにある事務所DevilMayCry
その雰囲気とはとても合わない事務所の中に一人の女性がいた
彼女の名前はナナ、数週間前からここで暮らしている
今とても楽しそうに朝食の準備をしていた
その時玄関の扉が大きな音を立てて開かれた、そちらに目をやればここの事務所の主のダンテが帰ってきた

「おかえりなさい!」
「……あぁ、ただいま」

ダンテは微笑んで迎えてくれたナナに笑顔で答えるわけでもなく無愛想に返す
そのまま彼はコートを脱いでシャワー室に向かおうとする

「ダンテ…ご飯は?」
「あ?…あぁ後でな」

そう、と少し残念そうにナナは言った。ダンテはそのままシャワー室に入っていく
シャワーを浴びている中ダンテは女の匂いが鼻に染み付き眉間に皺を寄せた
そう、夕べ彼が帰らなかったのは女と過ごしていたからだ
ダンテは遊び人だった。適当に女を見つけては体の関係をすぐに作り何度か同棲に近いこともしていたのだがダンテが帰ってこなかったりすると女はすぐに出て行った

そんな事を何度か繰り返している中でナナと出会った。彼女は悪魔に襲われているところをダンテが助けた、彼女は今まで自分が遊んできた女たちとは違って大人しいタイプだった数日間かけて口説き落とし、処女だった彼女を抱いた
そして今同棲しているという形だ。ナナにとってはダンテは自分を愛してくれているという考えなのだろうがダンテは違っていた。いつもどおり別の女に手を出しては遊んでいる

「アイツ……香水の匂いとか気づかねぇのか?」

朝食の準備をして待っていたナナの微笑を思い出す、ダンテは唇を噛んでシャワー室を出た
ダンテを待っていたナナがこちらを見て微笑んだ。そんな彼女をダンテは抱きしめる

「ダンテ…?」
「…なぁシたい」
「え?でもご飯は…?」
「そんなのいらねぇよ」

ダンテはそのままナナをテーブルの上に両手を付かせて尻を突き出す格好にさせる、そのままスカートを捲りあげて下着を降ろさせると自身を挿入した

「あっあああぁ!」

腰を掴みダンテはそのまま腰を叩きつける、声を上げて感じるナナを冷たい瞳で見下ろすダンテ

"どうせお前も数日間家を開けたら出て行くんだろ?どうせ離れていくぐらいなら――…"




「今日で3日目か……」

ナナはカレンダーを見つめながらため息をついた、そうダンテが帰ってこなくて今日で3日目になるのだ。出て行ったときも何も告げず、連絡の一つも寄越さない
何か事件に巻き込まれたのだろうか?嫌なことばかり考えてしまう


******

「ねぇダンテ帰らなくていいのぉ?」

女がダンテの胸板に指を這わせながら尋ねる

「帰って欲しいのか?」
「そんなんじゃないけどぉ…彼女待ってるんじゃないの?」
「……どうせもういねぇよ」

ダンテはそう言って眉間に皺を寄せる、女は体を起こしてダンテの額にキスをする

「……でも知ってたぁ?アンタと関わった女で悪魔に襲われて殺されたのもいるんですって」
「何…?」
「アンタと関わったことで死ぬ女もいる。でもそこが魅力的なのよね……アタシに何かあったら守ってくれるでしょ?」

甘えた声を出しながら女はダンテに擦り寄る。が、ダンテの頭の中にはいつも優しい笑顔で帰りを待ってくれているナナの事が思い出された
彼女がいなくなったらあの笑顔が見れなくなる、手料理も食べれなくなってしまう
永遠に彼女を手に入れられなくなってしまう――……

ダンテはすぐに起き上がって女の部屋を出た


母親が幼い頃に悪魔に殺されてしまいダンテは独りで生きてきた
当然身よりもなかったし、路頭でさまよい続ける事が多かった。もちろん世の中捨てたものではないダンテに手を差し伸べてくれる人間だっていた、だが悪魔に殺され再び彼は独りになってしまう
そんな事を繰り返していくうちにどうせ離れて行くのなら、何もいらないと…


事務所に着いたダンテは扉を開けた。いつも迎えてくれる笑顔がなかった
事務所を荒らされた後はなく、悪魔に襲われたわけではなさそうだ

「……出て行っちまったか」

仕方ないか、とダンテはその場にしゃがみこんだ
いつも怒らない彼女でもさすがに呆れて出て行ってしまったか、と

「ダンテ…?」

望んでいた声にダンテはすぐに立ち上がってそちらを見た
買い物をしてきていたナナがそこに立っていた。ダンテはすぐに彼女を抱きしめた

「どこに行ってたんだ?」
「え、と買い物に…ダンテこそ大丈夫?連絡なかったから心配してたのよ」
「俺は…別になんともねぇよ…」
「そう…よかった」

ふわり、とナナは微笑んだ。ダンテはその笑顔に胸が痛んだ
何故自分を怒らないのか、責めないのか

「それでいいのかよ…」
「え?」
「…数日間連絡寄越さなかったこと…怒らねぇのかよ」
「うーん……ダンテがこうして無事に帰ってきてくれたらいいかな」
「なんだよそれ……」

ダンテはナナの両肩を力強く掴んだ

「俺…お前がいるのに外で女と遊んでた」

ダンテの告白にナナは息を呑んだ

「でも原因がわかった…俺家族がいねぇから、ずっと独りだったから……寂しくて遊びまわってたんだ…」

誰かに傍にいて欲しかった、離さないでほしかった

ナナはそっとダンテを抱きしめた、抱きしめられたダンテは驚いて彼女を見る

「だから…私出て行かなかった…ううん、出て行けなかった」
「え?」
「だって…貴方と初めて出会ったときとても寂しそうな瞳をしてたから…」

あの日ナナと出会った時から彼女は見抜いていたのだ
ダンテはナナにキスをする

「なぁ…寝室に行こう、ちゃんとお前を愛して抱きたい」




「っう…ダンテ…っ!」

ナナの秘部に顔を埋めて中指で中をかき回しながら其処に舌を這わせるダンテの頭を弱弱しく掴みながら声を上げる
彼女の秘部からは液が止まらなく出ておりダンテの口元を濡らした
そういえば今まで女をちゃんと優しく愛撫していただろうか?数回入り口を解しただけで突っ込んでいたような気がする

「ナナの準備が整うまでいれねぇよ…」
「も…いいからっ…」

ナナがダンテの首に両手を回して縋り付く、そんな彼女を愛おしく思いながらダンテも優しく彼女を抱きしめて自身を挿入した

「ああぁぁああぁっっ!!」
「ナナ…っ!」

締め付けて離さない其処にダンテは気持ちよくて目を瞑る
そんな彼に温かい手が添えられる

「ダンテ…っ!」
「ナナ…?」
「…傍に…いるからね…っ!」
「!!」
「ひああああっ!!」

彼女が一際高い声を上げてそのまま気を失う
気を失った彼女から自身を抜いてそのままダンテはナナの胸に顔を埋めた

「……なんだよお前…優しすぎるんだよ…っ!」






3ダンテ切裏夢ということでいかがでしたでしょうか?3ダンテは遊び人という設定で書かせていただきました。小さい頃に親が死んで苦労しただろうなーと、それで大人になっていくにつれて遊びまわるような人になってしまったという、大切なものを見失ってしまったダンテが再びそれを取り戻すというような感じで…長くなってしまってすみませんでした!!70000企画リクエストありがとうございました!!
降伏
111119


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