ハニーシロップのきずぐすり
「じゃあなナナ!いい子で留守番してるんだぞ」
「いってらっしゃいおとーさん!」
ダンテはナナの頬にキスをして事務所を出ていく
それを見送ったナナはソファーでヘッドホンを付けて音楽を聴いているネロに近づいた
「ネロおにーちゃん、おとーさんでかけたよ」
「ん?あぁそうか…」
自分のマントを引っ張るナナに気がついたネロはヘッドホンを外した
そしてバスケットを持ってきたナナにネロは微笑んだ
「じゃあダンテも出かけたし…行くか」
「うん!」
ナナはネロと手を繋いで事務所を出た
二人がやってきたのは近くの野原
そこには沢山の綺麗な花が咲いていた
何故二人がここにやって来たのかというと今日は父の日だ
母親が死んで以来、ダンテは一人でナナを育ててきた。そんな父親の愛情を受けてナナは心の優しい真っ直ぐな子供に育った、だからこそ父の日に何かしてあげたいと思った。居候のネロに相談したナナ。彼女の年齢では高価な物を買うことなどできない、だけど心がこもっている事が大事だと教えたネロ、それを聞いたナナは近くの場所で花をたくさん摘んでダンテに渡すことにした
「こんなにたくさんあったらおとーさん喜んでくれるかなぁ?」
「あぁ…ナナの事が大好きだからな。飛び上がって喜ぶぜ」
あの悪魔も泣き出すデビルハンターが娘には甘い、なんて聞いたら悪魔どもは笑うだろうな、とネロは思った
「あ、アイツ悪魔の子だぜ!」
「!」
「うわー逃げろー!近づいたらころされるぜー」
近所の男の子たちだろうか?ナナに向かってそう言うと逃げていく
ネロは眉間に皺を寄せてナナに声をかけた
「なんだあいつら…?ひょっとして前から言われてるのか?」
「……うん。おとーさんがあくまたおしてるところ見たんだって」
ナナは悲しそうな顔をしてネロに言った
ネロは唇を噛んだ。子供というのは純粋で残酷だ、思ったことを口にする
それは時に人を傷つけて悲しませることだってある
このことだってナナはきっとダンテに話していないのだろう
ダンテを心配させたくないからだ。母親が死んでからナナは寂しいと言わないらしいのだ、きっと寂しいと言ってしまえばダンテは仕事に出かけなくなるだろうし生活が苦しくなるのだってわかっている
「俺があいつらに言ってやろうか?」
「ううん…いいの。それにねナナ、おとーさんの仕事かっこいいとおもってるから」
ネロは大きく目を見開いた
「おとーさんがあくま倒してね…次の日しらないひとがたずねてきて泣きながらおれいを言うの。そのときのおとーさんの顔がすごくかっこよくてすきなの…だからねナナもしょうらいデビルハンターになりたい」
「……そうか、それダンテに言ってやれよ。きっと喜ぶぜ」
「うん!」
「よしたくさん摘んだし…帰るか」
ネロと手を繋いで事務所へと帰る
「ただいまナナ!」
「おとーさんおかえりなさい!!」
走って出迎えるナナを抱き上げるダンテ
そしてナナは机の上にあるバスケットに指をさした
何があるんだ?と楽しそうな顔を浮かべながら近づき、ナナを机の上に座らしてバスケットの蓋を開ける
「これは…」
「今日は父の日でしょ?おとーさんいつもありがとう!」
ダンテはナナが摘んできた花を一つ取った
この花は死んだ妻も好きな花だったのだ
ダンテはナナを抱きしめた
「ありがとう…ナナ。最高に嬉しいぜ」
抱きしめ合っている二人をネロは優しく見つめていた
ハニーシロップのきずぐすり
父の日に何かしてあげたい娘夢でしたがいかがでしたでしょうか?ダンテが最初と最後しか出ていなくてすみません!!ネロはもう同居人であり娘ちゃんのお兄ちゃんみたいな存在でいてくれてたらいいなーネロもダンテの元で修業中なのです。ダンテの仕事を気持ち悪くて嫌だっていうよりは誇りに思っている優しい娘だといいですよね、将来は父と同じデビルハンター。後日ネロはやっぱりあの子供たちが気に入らなくて言いにいってるといいなぁwww
奏様!40000企画に参加してくださりありがとうございました!!こんなのでよければもらってやってください!
少年チラリズム
110719