ベイビーその心は誰のもの


「ごめんなさい…あなたとは付き合えません」

ナナは申し訳なさそうに言って相手の男に告げる
男はそうか、と言ってその場を去った
それを影から見ていた友達が出てくる

「ちょっとーアンタまたフッたの?」
「うん。私にはもう決めてる人がいるから」
「あぁ…子供の頃助けてくれたっていうアンタのヒーロー?」

子供の頃悪魔に襲われた
言いつけを破って遅くまで公園で遊んでいたからだ。その帰りに悪魔に襲われた
小さな足で必死に逃げる、ただただ恐ろしくて余計に人が来ない道に逃げてしまった
壁に追い詰められてもう駄目だと目を固く閉じた時だった

「ギャアアアアッ!!」
「っ!?」

自分を追いかけていた悪魔が大きな悲鳴を上げて砂となった
そして目の前には黒いマントを身につけた男が立っていた
彼はこちらをふりむいて赤い瞳で私を見た。そしてしゃがんで顎を掴んだ

「…今はまだガキだが…大きくなりゃいい女になりそうだな」
「ぇ…?」
「お前が大きくなるまで待っててやるよ。お前は必ず俺の物にする」

その人はニヤリと笑うと建物の上に移動してそのまま消えてしまった
それからどれだけ探してもその人には会えなくて10年の月日が流れた
当然私は今もその人を探し続けている
だって恋をしてしまったから

「せめて名前ぐらい教えて欲しかったなー」


学校からの帰り道。ナナは暗い夜道を一人で歩いていた
そしてピタリと足を止める

「っ…悪魔…!」

ナナの目の前に鎌を持った悪魔が現れた
彼女はとにかく走った。だが悪魔は当然追いかけてくる
過去の記憶が蘇る、どうしてこう悪魔に襲われるのだろうか
そしてあの時と同じように壁際に追い詰められた。しゃがみこんで体を守るようにする

「ギャアアアアッッ!!」
「!?」
「…何度も何度もお前らは飽きないな」


目を開けた
あの時と同じように黒いマントを身につけた男が立っていた
そして赤い瞳がナナを捕らえた、彼女は立ち上がって彼に抱きつく

「やっと会えた!!」
「…?」
「私のこと覚えてませんか!?10年前も今のように貴方に助けてもらったんです!!」
「10年前………あぁ」

男は思い出したのかナナに微笑んだ
その笑顔にまたもナナは嬉しくなった

「あの時のガキか……でかくなったな」
「はい!!」
「じゃあさっそくお楽しみといこうか」

ドサッ
ナナは男に地面に押し倒された。状況が掴めないままナナは体を固まらせていた
男はナナの首筋を舐めている


「やっ!ちょっと何してるんですか…!?」
「何って…これからお前を抱くんだよ」
「だ、抱くって…大体貴方の名前も知らないし…」
「……ダンテだ」
「ダンテさん…?……いやいやちょっと…っ!んっ!!」

ダンテはそのままナナの唇を塞いだ
突然の事にナナは目を見開いたままだった


パンッ!!
「っ…いてぇな」


ダンテは頬を叩かれた。ナナは急いで起き上がる
そしてポロポロと涙を零した

「酷い…っ、こんなの……優しい人だと信じてたのに…っ!」

泣きながら言うナナにダンテは唇を噛んで立ち上がる

「……ヤらせてくれない女なんかに興味はないな。二度と現れねぇよ」
「っ!!」

ダンテはそういい残すとナナの前から姿を消した


翌日
ナナは昨夜の事を思い出しては悲しくなっていたが、それと同時に心臓がうるさくなったりもしていた
それはキスの事だ。人生での初めてのキスが自分がずっと好きだった相手だったからだ
だがナナは首を振った

「もう忘れよう……あんな最低男のことなんて……」
「おい、いたぞ」

ナナが見ると数人の男に囲まれていた。その中には昨日振った男が立っていた

「あ、あなた…」
「よぉ…あんた名前も知らないヒーローに恋してるから付き合えないんだって?そんなバカバカしい理由で振られたのがなんか腹立ってさぁ……ちょっと来いよ」

ナナは男たち数人に路地裏に連れて行かれた
逃げようとするものの数人の男たちに道を阻まれて逃げる事が出来ない
そして男の一人に押し倒される

「このままヤッちまうか」
「いや…やだっ!!」
「おい、そっち押さえてろ!!」


男の一人がナナの足を押さえつける
身動きもとることができないナナは恐ろしくなった

このままヤられるぐらいなら……ダンテさんに抱かれればよかった……

男の一人がナナの上着をめくる

「いや……ダンテさんじゃなきゃ嫌ーーーーッ!!!」
「ぐはっ!!」

ナナが大きな声を出したと同時に上にいた男が吹き飛ばされた
何が起きたのかわからない状況の中、ナナは黒いマントを捉えた

「やってる事は悪魔と変わらねぇな…」
「っ…ダンテさん…!」
「な、なんだよコイツ…!どっから来たんだよ…」
「さっさと失せろガキ共…死にたくなけりゃな」

ギロリ、と赤い瞳で見つめられて男たちは逃げ出す
残されたナナは起き上がってダンテを見つめる


「あの…どうして…?」
「10年前に言っただろ…お前を俺の物にすると…」

確かにそのような事を言っていた事を思い出した

「本当はすぐにでもお前の所に現れようかと思った…俺はこんなに恐ろしい悪魔だから…早くに諦めさせようかってな。だが……ずっと毎日俺の事を想い続けてるお前を綺麗になっていくお前を見て……あの言葉通り本気で欲しくなった」
「ダンテさん……っ」

ナナはダンテに抱きついた。ダンテもナナを抱きしめる

「私ずっとダンテさんの事が大好きでした…っ!」
「あぁ……俺の物になれナナ」
「はい…っ!」

ダンテは返事を聞くとそのままナナにキスをする
長年想っていた恋が無事に叶ったことにナナは涙を流す
そしてそのまま押し倒される


「え?ダンテさん…??」
「さっき言っていただろ?俺じゃなきゃ抱かれたくないと……いただくぜナナ」
「え?え?ちょっと待ってーーー!!」

この後おいしくいただかれましたとさ





なんだこれどっかの少女漫画みたいな展開になってしまった…リクエスト通りになっているかかなり不安です。純愛夢ってリクでしたら黒様がなんか黒くなくなってる…エロいのは健在ですが、でもヒロインなんか気に入ってしまった。こういう黒様もアリでなんか好きだぁぁっ!!
♪様こんなのでよろしければ貰ってやって下さい!!20000HIT企画参加ありがとうございました!!
約30の嘘
110410


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