やっぱり家が恋しくなるもんなんです



「ただいま」
「おかえりなさいませジョルノ様……おや?」



【やっぱり家が恋しくなるもんなんです】



庭で花壇の手入れをしていたブランドー家の執事テレンスがジョルノに気づいて声をかける
それと同時に気づいたのがジョルノの手を握っている小さな少女


「ジョルノ様…そちらはもしかして…?」
「はい。ジョースター家のなまえです。今日は彼女の分の食事もお願いします」
「はぁ…かしこまりました」


テレンスに食事を頼むとジョルノはなまえを連れて家に入ろうとした


「ジョルノ〜〜〜〜!!帰ったか〜〜〜!!?」
「チッ…来たか」
「?」


大きな声をかけながらこちらに向かって走ってくるのはジョルノの父―――ディオだった
どうやら息子が大好きらしい


「ジョルノ!?その子供はもしかして……」
「ディオおじちゃん!」
「おじ…!」


なまえはディオを見てニコニコと手を振る


「な、なんでここにいるんだ!」
「家に帰りたくないらしいので連れて帰ってきました、それだけです」
「それだけって……ちょっ…ジョルノぉぉ!?」


ジョルノはディオの横を通り過ぎて自分の部屋へと向かった
残されたディオはワナワナと震える


「うおおぉぉ!!ジョルノが!かわいいジョルノが!!あんな小娘に捕られたぁぁ――!!」


一人暴れて泣いていた




ジョルノの部屋へと来たなまえ


「ジョルノ、ディオおじちゃんないてたよ?」
「いいんですよ。気にしないで下さい、てゆうか嫌いなんで僕は」


ジョルノはなまえに微笑んでいった

なまえはその顔を見た後


「名無しディオおじちゃんすき。だからないてるとこみたらかなしくなるの」
「!…そうですか、どうして好きなんです?」


なまえは顔を少し俯かせて


「なまえにはおとーさんもおかーさんもいないから……ジョルノにはおとーさんいるからきらいなんていっちゃだめ」


そういえば彼女の親は小さいときに亡くなっている
親がいる自分が羨ましいと思うというのもあるということか


「……すぐには無理ですけど、まぁ嫌いと言わない様には努力しますよ」
「うん!」


なまえはそれを聞いてジョルノに抱きつく


「…そういえば僕は好きじゃないんですか?」
「? ジョルノもすき」
「……そうですか。僕もですよ」


ジョルノはなまえを抱きしめた





「なまえどこにもいないわよ」
「公園にもいなかったぜ」


一方ジョースター家ではいなくなったなまえをみんなで探していた
犬の事で怒ってから姿を見ていない


「どこにいったんだあのバカ……」


承太郎が唇を噛む


「やっぱりきつく言われたのがショックだったんじゃない〜?」
「……俺は事実を言ったまでだ。なまえに犬の面倒が見れるわけがねぇ」


承太郎は煙草に火をつける


「ほっとけばいい。その内泣きながら帰ってくるに決まってる」


承太郎の背中を見るジョセフ


「……本当は心配でたまらねぇくせに」


ボソリと呟いた





「いただきます」


ブランドー家で食事が行われ始めた


「なまえさん。遠慮せずにたくさん食べてくださいね」
「うん!」


なまえはそう言うと使い慣れていないフォークでスパゲッティを食べるがテーブルにボロボロこぼす


「貴様っ!何をこぼしているんだ!」
「ディオ様落ち着いてください、相手は子供ですよ」
「ふぇ…ごめんなさい…」
「泣かないで下さいなまえ。ほら顔をこちらに向けて」


なまえの口元についたソースを拭くジョルノ

なまえはふと思い出した


『なまえ!てめぇまたこぼしやがったな…』
『まぁまぁ承太郎さん、まだ小さい子供相手に何ムキになってんスか』
『ふぇ…じょうたろこわい』
『あーほら泣かなくていいんだよなまえ、ほら顔こっちに向けて…』


それは自分の家での食事の事だった




「かえりたい……」


なまえはボロボロと泣き出す


「なまえ!?どうしたんですか?」
「なまえおうちかえりたい……」


ジョルノはそれを聞いて少し考えていたが


「いいんですか?遅くなった事怒られるかもしれませんよ?」
「じょうたろにおこられてもいい……かえりたい…っ」


ヒクヒク泣き始めるなまえ
そこに家のインターホンがなった


「……どうやらお迎えが来たみたいですね」
「!」


なまえは玄関へと走り出す


「なまえ!?」
「! じょうたろ!」


玄関に行くとみんなが迎えにきていた


「あーここにいたのか!よかったぜ」
「心配したんだぜこのやろー」


仗助、ジョセフが頭をグリグリと撫でる
なまえは承太郎の方を見ると、彼はこちらに背中を向けていた
なまえは承太郎の方に近づく


「……じょうたろ」
「………」
「ふぇ…ごめんなさい」
「……どこもケガしてねぇか?」


てっきり怒っていると思ったが、彼は全然そんな顔をしていなかった


「……うん」
「ならいい……」


承太郎はそう言ってしゃがむとなまえを抱きしめた


「じょうたろ…?」
「…心配させるんじゃねぇぜバカ野郎」
「……ふぇええぇぇん!」


安心してしまったのかなまえは泣き出した


「迷惑かけたなジョルノ」
「いいえ。全然そんなことないですよ。むしろなまえなら大歓迎ですよ」
「そうかよ……」


ジョセフにツンとした態度で答えるジョルノ

その後帰っていったジョースター家の背中を見ながら


「……まぁ彼女には今日教えられましたからね、本当なら帰さないつもりでしたけど……今日は許してあげますよ。でもまぁ……ますます欲しくなりましたね」


と呟いた



「ジョルノ〜〜〜!一緒に風呂に入らないか〜〜?」
「…そういえばさっきなまえを泣かしてましたよね、食事のとき」
「え!?あれは…そのこぼしたから…」
「やっぱりあなたの事は好きになれそうにないですね……」




080124


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