女の子の笑顔って素敵だよね


「困ったなぁ…」
「仕方ないけどここは彼に任せるしかないか」


【女の子の笑顔って素敵だよね】


1歳になる妹なまえを腕に抱きながらジョナサンは隣の家のブランドー家のインターホンを鳴らした
すると家の中から出てきたディオは嫌な顔をしながら口を開いた

「何の用だ」
「あ、ディオ…実は家族みんながそれぞれの用事で家を開けることになっちゃって、2時間程なまえの面倒を見て欲しいんだ」
「な、なんだと!?」

声を上げるディオはジョナサンの腕の中に抱かれているなまえを見る
ニコニコと可愛らしい笑みを浮かべた彼女だがディオにとっては可愛くも何ともないのだ
首を振って断ろうとするディオだがテレンスがやってきてジョナサンからなまえを受け取った

「お任せ下さい、お気をつけて」
「テ、テレンス!?」
「ありがとう!なるべく早く戻るから」

そのまま去っていくジョナサンだがディオは怒りの矛先をテレンスに向けた

「貴様!何故勝手なマネを!!」
「ディオ様…我々はジョースター家に何度も世話になっております。ここは引き受けるのが賢明かと」
「くっ…私は一切面倒見ないぞ!!」

怒りながらその場を去っていくディオを見送るとテレンスは優しい微笑をなまえに向けた

「さぁ…奥の部屋でおとなしく待っていましょうね」
「だーうー!」


ブランドー家の部屋に連れてこられたなまえはテレンスと共におもちゃの積み木で遊んでいた
適当に拾っては積み上げていく彼女に「上手ですね」と誉めながら頭を撫でてやればなまえは嬉しそうに微笑んだ
その時ジョルノが部屋へとやって来た

「ジョルノ様」
「テレンス、お菓子を用意してください。お腹が減りました……あれ?その子は?」
「あぁ…ジョースター家のなまえさんです、事情があって数時間預かる事になったんです」
「ふーん…」

興味なさそうにジョルノはなまえを見下ろした
見慣れぬ少年の姿をくりくりとした丸い目で彼女も同じようにじーっと見続けていた
テレンスは立ち上がるとジョルノに声をかける

「ではジョルノ様。お菓子の準備をしている間、なまえさんの面倒を見ていてあげて下さい」
「え…僕がですか?赤ん坊の扱いなんてわかりませんよ」
「何事も経験です。では頼みましたよ」

ジョルノの肩を優しく叩いてテレンスは部屋を出て行く
まいったな、とジョルノは頭を掻きながらとりあえずその場に座った
するとなまえがハイハイをして彼に近づいていき積み木の一つを彼の膝の上に置いた
積み木を渡されたジョルノはえ?と彼女の顔を見つめるのだが満面の笑みを浮かべているだけだ
側に彼女が先ほどまで積んでいた積み木があったのでそれの上に積んでやれば嬉しそうに手を叩いた

「……ただ重ねただけじゃないですか、ふふっ…おかしいな赤ん坊って」
「だー」

再びハイハイしたなまえはジョルノの膝の上に乗ってきた
膝の上に乗ってきた彼女に戸惑いつつも恐る恐る彼女の身体に手を伸ばして抱き抱えなおした
とても小さな体で、温もりがあってしっかりと命の鼓動が感じられる
なまえがこちらから顔を上げて見上げている。リンゴのような赤いほっぺたがとても可愛らしい

「可愛いですねなまえ」
「ジョルノ!帰っていたのか」

ジョルノの姿を見つけたディオが嬉しそうに微笑んだ
しかしディオは息子の腕に抱かれているなまえを見てキッ、と彼女を睨みつけた

「小娘!何故ジョルノの腕に抱かれているのだ!!さっさと離れんか!!」
「……小娘ってなまえに言ってるんですか?」
「え?」

ゴゴゴゴゴゴゴ

なまえをゆっくりと抱き上げながらジョルノは父親を睨みつける
息子の気迫にディオは思わず後ずさる
だが彼も負けずと恐る恐る口を開く

「ジョ、ジョルノよ…どうしたのだ?前までそんな小娘の事など気にも留めなかったではないか…」
「…今日からなまえを傷つける人は誰だろうと許しません。僕は彼女の笑顔に惚れました」
「な、何ィーー!!?」

ショックを受けるディオを無視してジョルノはそのまま部屋を出て行った

これがジョルノがなまえに惚れたきっかけである


彼女の笑顔には誰も勝てないのです
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