人生にライバルはつきものだ


ジョースター家の家の前でほうきを持って落ち葉をはいているジョセフとジョナサン、それを本人は手伝っているつもりのなまえもいた


【人生にライバルはつきものだ】


「この間まで暑かったってのに急に秋に変わりやがったなー」
「過ごしやすくなったよね…そろそろ服の入れ替えもしないと」

二人が話していると家の中から徐倫が出てきた
どこかへ出かけるらしくジョナサンが声をかけた

「出かけるのかい?」
「えぇ…秋物の服が入荷したから買いに行こうと思って」
「なまえもいくっ!」

出かけると聞いてなまえは手に持っていた落ち葉を捨てると徐倫の足にしがみついた
そこでジョセフがえーと不満そうに声を出した

「なまえちゃ〜ん、兄ちゃん達の手伝いしてくれるんじゃなかったっけ?」
「じょりーんとおかいものにいくの」
「何だとっ!?裏切り者にはこうしてやるぜっ」
「きゃー!くすぐったいっ!あははっ!」

なまえの小さな体をくすぐるジョセフ、大きな笑い声を上げる妹の姿
その二人の仲のよさにジョナサンも徐倫も思わず微笑んだ
彼の手から逃げたなまえは徐倫の後ろに隠れる

「徐倫、連れて行ってあげてくれないか」
「えぇもちろんよ。じゃあ行って来るわ」
「いってきまーす」

徐倫と手を繋いでなまえはジョナサンとジョセフに大きく手を振った



* * *

無事に買い物を終えた徐倫となまえは河川敷を歩く
新作が入荷していて気に入った徐倫は5着も買ってしまった、なまえにも可愛い服があったので買ってあげ二人お揃いの服も買ったりした
手を繋いで帰る姉妹は満足そうな顔をしていた

「今度アナスイとデートの時に来て行こうかなー!」
「じょりーん、あれなに?」
「ん?」

なまえが指を指す方向を見れば少年達が野球をしていた

「あぁ…野球してるのよ」
「やきゅう…」

その時野球をしていた一人の少年がこちらに気がつくとすぐに駆け寄ってきた
一体誰だ、と警戒していた徐倫はその少年が誰だかわかると微笑んだ

「徐倫お姉ちゃんっ!!」
「エンポリオ…あんただったのね」

徐倫はなまえから手を離してしゃがむとエンポリオを抱きしめた
手を離されたなまえは不満そうに二人を見つめる

「久しぶりだね!何してるの?」
「買い物に行ってたのよ、紹介するわ。妹のなまえよ」
「なまえちゃんか!僕はエンポリオよろしくね」

エンポリオが手を差し伸べるのだがなまえは手を出さない
徐倫はどうしたのかと彼女に近づけばすぐに徐倫の首に両手を回して抱っこを強請った
やれやれと徐倫は妹を抱き上げる

「どうしたの?今日は甘えるわね…エンポリオに挨拶しなさい」
「……や」

なまえはエンポリオをちらりと見てから彼女の胸に顔を埋めた
それを見たエンポリオも複雑そうな顔で見ていた
やれやれだわ、と徐倫はため息をついた

「エンポリオ試合終わったんでしょ、よかったらカフェにでも行かない?」
「!!」
「え…いいの!?行くよっ!!」

笑顔で喜ぶエンポリオと複雑そうな顔をするなまえがいた


徐倫が気に入っているカフェがありそこに連れてこられた
エンポリオは好きな物を頼んでいいといわれてワクワクしながらメニュー表を見ている
なまえも徐倫とメニュー表を見ていたが相変わらず複雑な顔をしていた

「僕ショートケーキで」
「じゃああたしはチョコレートケーキで…なまえはフルーツケーキよね?」
「うん……」

店員を呼んで注文すると徐倫はなまえに口を開いた

「どうしたの?何を怒っているの?」
「おこってないもん…」
「じゃあどうしてエンポリオに挨拶しないの?」

もじもじしながら服の裾を掴むなまえ
エンポリオも気になって答えを待っている様子だった
そんな彼をまたちらり、と見つめてから口を開いた

「えんぽりお…じょりーんをとるから…や…」
「え?」
「じょりーんはなまえのおねえちゃんなの…」

そういえばさっき徐倫はエンポリオを抱きしめた
以前なまえはジョナサンが静を抱っこしていただけでもヤキモチを焼いてしまうほどだ
それだけ彼女は家族を愛していて自分が兄弟を独占したいのだろう
なまえは椅子から降りると徐倫の膝の上に座った

「えんぽりおにじょりーんはわたさないのっ」
「やれやれだわ…」

妹のヤキモチ焼きには困ったものだが嫌ではない、可愛いとすら思える
困ったように微笑む徐倫は口を開く

「なまえの事はもちろん一番大好きよ……でもエンポリオも弟みたいに大切に思ってるの。だからそんな二人が仲良くしてくれたらあたしは嬉しいんだけど?」
「じょりーんうれしいの?」
「えぇ」

なまえは徐倫が喜んでくれるとわかると彼女の膝の上から降りてエンポリオの元へと近づく
そして先程は出さなかった手を差し伸べる

「えんぽりおごめんね……」
「…いいんだよ、徐倫お姉ちゃんを取るつもりはないから…仲良くしてくれる?」
「うんっ!!」

エンポリオとなまえは笑顔で握手を交わした
その時注文していたケーキがやってきて二人は急いで椅子に座りケーキに手をつけ始める
そんな二人を徐倫は微笑んで見つめていた


エンポリオは徐倫大好きな男の子設定です
120915


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -