息子は誰にもやりません


季節はすでに春
ジョースター家の庭も花が咲き、その庭でなまえと静が遊んでいた


【息子は誰にもやりません】


レジャーシートを引いてその上でおもちゃのテーブルとプラスチックでてきた食材を広げるなまえ、側にいる静は彼女が何をしているかもわからないままうさぎのぬいぐるみをブンブン振り回して遊んでいた

「いまからおままごとするからね、なまえがおかーさん。しずかちゃんはあかちゃんのやくね!」
「うー!」
「しずかちゃん、いまはおにんぎょうはだめ」

なまえにうさぎのぬいぐるみを取り上げられて呆然となる静
その時二人の下にジョルノがやって来た

「こんにちはなまえ、静ちゃん」
「じょるの!」

隣に住むジョルノがやって来てなまえは嬉しそうに彼に飛びついた
部屋で本を読んでいたジョルノは彼女達が遊んでいるのに気がついてやってきたのだ

「じょるのもいっしょにあそぼ!」
「いいですよ」
「じょるのはおとーさんやくね」

ジョナサンのネクタイを勝手に借りたのだろうか?ジョルノに渡してなまえは子供用のエプロンを身につける
そんな彼女の姿を見てジョルノは目を細めると静を抱き上げ、自分の膝の上に乗せて座った

「おかえりなさいじょるの!ごはんつくってあげるね!」
「はい、お願いします」

笑顔で答えるジョルノ、なまえはおもちゃの鍋を取り出して適当に野菜をとって鍋に突っ込む。当然側で見ていた静も何かで遊びたくて近くにあった野菜を取るのだがなまえにすぐに取り上げられてしまう。しかし静もそこで諦めない、また違う野菜を取っては取り上げられるということが何度か起きてしまい、とうとう静もなまえもぐずりだした

「あーしずかちゃんだめだよぉ」
「うぇ えええぇっ」
「なまえ、静ちゃんにも一つでいいからおもちゃを貸してあげてください」
「じょるの…」

なんで、というような瞳でなまえはジョルノを見上げる。そんな彼女の頭をジョルノは撫でた

「なまえはお姉さんでしょ?それに今は母親でもあるんだ…いい子だからできますよね?」
「……はい、しずかちゃん」

お姉ちゃんと母親という言葉に反応したのか、なまえは静にうさぎのぬいぐるみを渡した。すると静は喜んでうさぎのぬいぐるみで遊びだした
ジョルノも微笑んだ

「さすがは僕のお嫁さんですね」
「うん!はいごはんできたよ!」

鍋ごとそのままテーブルの上に置く豪快さにジョルノは苦笑していたがなまえがせっかく作ったのだ

「いただきましょうか」
「いただきまーす!」

おいしいですよ、となまえに微笑むジョルノに彼女もまた笑顔になる
そんな3人の様子を一つのレンズがしっかりと捕らえていた

「テレンス…しっかり録画しているか?」
「はいディオ様」

ジョルノの父親のディオとその執事のテレンスだった。テレンスはディオに言われてビデオカメラで3人の様子を写していた

「ジョルノ…今まで一つも映像を撮らせてくれなかった……だがあの娘と遊んでいるときだけは私に見せたことのない笑顔で笑い、気を許している…」
「えぇ…楽しそうですね。ままごとしている様子ですが」
「ままごとだと!?」

ままごと、という単語にディオがものすごく反応した
じっくりと見てみれば確かにテーブルの上に料理を並べており、赤ん坊もいる

「ま、まさか…ジョルノはあの娘の夫なのか!?」
「その様ですね。赤ん坊は2人の子供役でしょう」
「ぬぅううっ…許さん、許さんぞ!ジョルノは誰にもやらんっ!!息子は誰にもやらんっ!婿になど出さんっ!!」
「何してるんですか…?」

覗き込んでいたディオの前にジョルノが不機嫌オーラ全開で立っていた
息子の機嫌が悪いことに気がついたディオはハッ、となった

「いい年して覗きですか?最低ですね」
「ちちちち違うのだジョルノ、これには色々と訳が「でぃおおじちゃん!」

息子に必死に弁解するディオの姿を見つけたなまえは彼の足にしがみついた

「でぃおおじちゃんなにしてるの?なまえといっしょにあそぶ?」
「な…誰が貴様のような娘と…!!」
「ディオ様」

テレンスがディオに声をかける
なんだ、とディオが言うが彼の耳元でテレンスは囁いた

「ディオ様…チャンスかと、一緒に遊ぶということはジョルノ様とも遊べますよ」
「ジョルノと…遊べる…!?」

ただでさえ話す事もできないジョルノと遊べることにディオはすぐになまえに遊ぶと返事をした
なまえが決めたことに文句を言えないジョルノは小さく舌打ちをした

「(嫌われているが…ジョルノと遊べるのだ…)で、私の役はなんだ?この際ジョルノの兄でも構わんぞ」
「んーとね……」

なまえは小さな頭で考える、そして何かを思いついたのか少し離れた場所にレジャーシートをもう一枚引く

「でぃおおじちゃんはきんじょにすむおじさんのやくね!」
「いいですねなまえ、賢いですよ」

拳をわなわなと震わせていたディオだが側にジョルノもいるため結局我慢するしかなかったのだった



(あれ?ディオだけ離れてないかい?)
(近所に住むおっさんの役だそうッスよ)
(ぷっ…)


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久しぶりにジョルノ登場ですw
120405


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