子供の体温って温かくていいよね
「う〜寒い!!」
仗助は身体を震わせながら家の扉を開ける、そして靴を脱いでそそくさと居間へ向かった
【子供の体温って温かくていいよね】
「おかえり仗助」
「ただいまッス」
ジョナサンはコーヒーを飲みながらコタツに入っていた、仗助も温かくなっているこたつにさっさと入った。そして足が何かに当たりなんだ、と中を覗き込んでみた
「なまえ」
「じょーすけ!」
コタツの中にはなまえが入っていたのだ、身体が小さい彼女はコタツの中にすっぽりと入ってしまうのだ。その時今度はジョセフが帰ってきた
「はー寒いなぁ…冗談じゃねぇぜ」
「おかえりジョセフ」
「おう」
ジョセフはコタツに入ると中に入っていたなまえを中から引きずり出して抱きしめた
「あ〜あったけぇななまえ」
「じょせふいやーつめたいー!」
外から帰ってきたジョセフの服はとても冷たくコタツの中にずっと入って温まっていたなまえは嫌だ、と彼の身体から抜け出そうとするのだがジョセフは離さなかった
「なまえって湯たんぽみたいで温かいんだよなぁ〜今日兄ちゃんと寝るか?」
「きょうはじょうたろとねるの」
だからじょせふとはねない、となまえは首を横に向けた。ジョセフはその行動が可愛くてごめんな、と頭を優しく撫でてやる。そうしてやればなまえは許したのか彼に抱きついた
「確かになまえと一緒に寝た日は気持ちよく寝れるんスよねぇ〜」
「そうだね…子供の体温は高いって言うしね」
「そうそう湯たんぽみたいなんだよな」
「ゆたんぽ?ゆたんぽってなに?」
なまえが聞きなれない言葉に興味を持ちみんなに尋ねる
するとジョナサンが近くのクローゼットから実物の湯たんぽを持ってきた
「これが湯たんぽだよ、この中にお湯を入れたら温かくなるんだ」
「ゆたんぽかたいね、なまえこんなにかたくないよ」
「そうだなーだから兄ちゃんは湯たんぽよりなまえのが好きなんだよなー」
「なまえもじょせふすき!じょなもじょーすけも」
妹の言葉に兄達も同じように好きだよ、と返してやれば満面の笑みを見せる
***
「そろそろ寝るぞ」
「うん!」
承太郎に言われて持っていた絵本を横に置き布団の中へと入る、なまえが布団に入ったのを確認して電気を消した
「ねぇじょうたろ」
「なんだ…」
「じょうたろはゆたんぽとなまえどっちがすき?」
「は…?湯たんぽと…?」
なまえの質問に承太郎は何を言っているんだ、と思ったがふと気がついた
彼の胸板にピッタリと引っ付くなまえ、小さい身体だがとても温かい
なるほど湯たんぽと同じ役割をしている自分とではどちらが好きかと言うことかと承太郎は考えた
「ねぇどっち?」
「……なまえだな」
「なまえもねゆたんぽとじょうたろだったらじょうたろのがすき!じょうたろはあったかいしなでてくれるからすき!」
「フッ…そうかよ」
なまえの言葉に承太郎は笑うと彼女の頭を優しく撫でてやった
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120212