信じていれば奇跡は起こる


「こんなもんね」
「ほらなまえ抱っこしてやるからその飾りしっかり持ってろよ」



【信じていれば奇跡は起こる】



ジョセフに抱っこされたなまえは星の飾りを手に持ちツリーのてっぺんにそれを飾ったと同時に周りから声が上がった

「やっと完成したな!」
「今年もこの季節が来たのね」
「おほしさまきれい!」

なまえが嬉しそうに言うので周りの兄たちも微笑まずにはいられなかった
そして…今年は妹がサンタクロースに何をねだっているのか、これはジョセフの仕事だった

「なまえちゃ〜ん、今年はサンタに何を頼んでるんだ?兄ちゃんに教えてくれよ」
「んーとね…」

なまえは少し間をおいてから口を開いた

「ことしはぷれぜんといいからさんたさんとあそびたい!」
「……え」

妹の言葉にジョセフと一緒に飾り付けをしていた徐倫も身体が固まってしまった

「なまえ、遠慮しないでいいのよ!ぬいぐるみとかホントはあるんでしょ?」
「ううん、さんたさんとあそびたいの」
「サンタと遊びたいか…ちょーっとそれは難しいかもなぁ」
「どうして?さんたさんはほしいものなんでもくれるんでしょ?」

真っ直ぐに見つめてくる瞳に二人は何も言えなくなってしまった、なまえはジョセフに降ろしてもらうように頼むとそのまま外へと遊びに行ってしまった

「どうすんのよ」
「まぁ…策はあるぜ」



家を飛び出したなまえはそのまま交番へと向かった、中にいたティムがなまえの姿に気がついて書類から顔を上げた

「やぁなまえ。今日も寒いな」
「てぃむ!さんたさんのおうちしってる!?」
「え?サンタの家?」

街の事を守っているティムなら知っているだろうとなまえは彼を訪ねてきた、彼も彼で期待を込めた瞳で彼女が見つめてくるものだから困っていた。その時だった二人の男が交番に入ってきた

「…戻ったぞ」
「さみぃ〜ティムさんよぉコーヒー淹れてくれよォ」
「ご苦労さん」

知らない男たちが入ってきたのでなまえは慌ててティムの後ろに隠れる

「あぁなまえは初めて会うのか、ウェカピポとマジェントだ。俺の仕事仲間だよ」
「ティム、この子は?」
「ジョースター家のなまえだよ。たまに遊びに来るんだ」
「ふーん、こんな何にもない所にくるなんて変わった子供だな」

マジェントがなまえの顔を覗き込む、ティムと同じ仲間だと知るとなまえはマジェントに尋ねた

「まじぇ、さんたさんのおうちしってる?」
「あん?サンタぁ?あー知ってるぜ」
「ほんと!?」

なまえが瞳を輝かせた、ティムとウェカピポはマジェントが何を答えるのか内心ハラハラしていた

「サンタはな、空の上に住んでるんだ」
「おそら?さんたさんおそらにすんでるの?」
「そうだ、しかも俺たちでさえも知らなくて行けない場所なんだ」
「…さんたさんにあえないの?」

自分では行けないことを知るとなまえは悲しそうに眉を下げた。マジェントはしまった、という顔をした。そこにすかさずウェカピポとティムがフォローに入る

「…もう暗くなるから帰りなさい。大丈夫だ、サンタにはいつか必ず会えるさ」
「そうだな。ジョニィたちとパーティするんだろ?いいなぁ」
「……うん、ばいばい」

なまえはそのまま交番を飛び出していく



なまえはそのまま帰らずに公園のブランコで一人座っていた、やはりサンタクロースに会うことなど不可能なのだろうか?いつもなまえが寝ているときにしか現れない

「さんたさん……」
「お嬢さん」

声をかけられてなまえはそちらを見た、そこには優しい笑みを浮かべた赤い服を着た老人が立っていた。なまえは笑顔になって彼に飛びついた

「さんたさん!なまえにあいにきてくれたの!?」
「あぁ…君の願いはちゃんと届いたよ。私と遊びたいと…」
「うん!さんたさんとあそびたかったの!」
「あぁいいとも、遊ぼう」

サンタクロースはニコリ、と微笑んでなまえの小さな手を繋いだ
二人は公園の中の遊具を使って遊んだ。一緒に滑り台を滑ったり、ブランコに乗ったりと…楽しい時間はすぐに過ぎていった


「すまない…そろそろ時間だ」
「…さんたさんかえるの?」
「いや、これから子供たちにプレゼントを配らないといけないんだ」

なまえはもっと遊びたかったのだがサンタクロースを困らせてはいけないとその大きな手を離した、彼はなまえの頭を撫でた

「さんたさん…またあそぼうね」
「あぁ」
「おしごとがんばってね!」

去っていく彼の背中を見つめながらなまえはずっと手を振り続けていた
そしてしばらくしてから承太郎が現れた、なまえはすぐに承太郎に駆け寄った

「じょうたろ!」
「よぉ…ここにいたのか、そろそろ帰るぞ」
「じょうたろ!なまえさっきまでさんたさんとあそんでたの!」
「サンタ…?そいつはどこに行ったんだ?」

なまえは承太郎がやってきた方向を指差す、承太郎はここに来るまで誰とも会っていなかった。妹の発言に首を傾げていたがすぐに彼女を抱き上げた

「…また後で聞いてやる、帰るぞ」
「うん!」



******

「おかえりなまえ!」
「ただいまじょりーん!」
「見てほらサンタさんよ!一緒に遊んでくれるって!」
「なまえさんたさんとさっきあそんだよ?じょせふはどうしてさんたさんのかっこうしてるの?」
「え…(バレてる…)」
「……やれやれだわ」



ジョセフの策敗れるww
111218


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