呼ばれるのなら1番がいい


それはほんの数年前の話になる……



【呼ばれるのなら1番がいい】



「あーうー」

縁側でジョナサンに買ってもらった人形で遊ぶなまえ
その様子を傍で見つめる承太郎、ジョセフ、ジョニィの3人の兄
なまえが生まれてすぐに彼らの両親は亡くなった。そこから兄弟みんなで面倒をみることに決めたのだ

「気に入ってるみたいだねその人形」

ジョニィがなまえの頭を撫でながら言う

「ジョナに買ってもらってからずっと離さねぇもんなー」
「な!」

ジョセフもなまえの頬をつつきながら言う、それには嬉しそうに笑う妹はジョセフの人差し指を握る
承太郎は立ち上がってその場を離れようとしたのだが

「だ!」

なまえは承太郎に向けて精一杯両手を広げる、どうやら抱っこして自分も連れていって欲しいとの事らしい。そんな妹に承太郎は苦笑して抱き上げる

「煙草吸ってくるだけだ…すぐに戻るからここにいろよ」
「……じょ」
「何…?」
「じょ」

なまえの言葉に3人は固まった
今まであ、とかう、とかしか言わなかった妹が初めての言葉を口にした
しかもそれは……

「聞いた?今の…」
「あぁ…もしかしてしゃべったんじゃねぇのか?」
「じょ、って言っただけだろうが」
「考えてみろよ承太郎。じょ、って事は俺たちの名前を言おうとしてるんだぜきっと!こうしちゃいられねぇ!みんなに知らせねぇと!」

ジョセフは走り去っていく
その姿に承太郎はやれやれ、とため息をついた



知らせを聞いて居間に集まる家族

「なまえがついに名前を呼んでくれる日が来たのね!」
「一歩成長したって所だね…」
「じゃあなまえ!じょーすけって呼んでみてくれ」

仗助はなまえと目が合うように四つん這いの体制になって顔を近づける
その行動に何人かが反応した

「ちょっと待てよ仗助。なまえが一番最初に呼ぶのは俺に決まってんだろ」
「何言ってやがる、俺が抱いたときに言ったんだ。俺だ」
「なまえの服をコーディネートしてるのはあたしなんだからあたしに決まってるわ」
「おいおい…よく遊んであげてるのは俺ッスよ〜?」
「何言ってるんですか?僕に決まってるじゃないですか」

いつの間にかジョルノもその場にいた
一体いつの間に、と突っ込みたくなったが5人の火花にジョナサンとジョニィは黙っていた
すぐに5人はなまえを取り囲む

「ねぇ〜なまえ。あたしの事じょりーんって呼んでみて」
「なまえ!兄ちゃんの名前わかるだろ?ジョセフだ」
「じょ・う・す・け!わかるッスよね?なまえ」
「未来の旦那の名前はジョルノですよなまえ」
「承太郎だ…なまえはいい子だからわかるよな?」

5人に囲まれているなまえはニコニコと微笑む
そして…

「じょ……」
「「「おぉっ!!?」」」
「じょ…じょ…じょじょ」

なまえは確かに呼んだ
だがジョジョは全員に当てはまるのでしばらく時が止まった

「ジョジョって…」
「まぁこれでいいんじゃないかな」
「ジョニィ?」
「そうだね…ジョニィの言うとおりだ。全員がなまえに1番に名前を呼んでもらえたんだから」

ジョナサンの言葉に納得した5人は先程の雰囲気は消えてなまえの相手を始める
そこにジョナサンとジョニィも加わった



ちびちゃんが初めて名前を呼んだ日ですww
110624


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