暑いときにはやっぱりこれだ



夏の蝉の鳴き声がうるさいほどに響く
現在の気温は35度。この炎天下の中を元気よく走り回っている子供がいた



【暑いときにはやっぱりこれだ】



「でね?じょるのがこれくれたの!」
「へぇーそうかよかったな」


なまえはティムのいる交番へと遊びに来ていた。そしてジョルノにもらった指輪をティムに見せていた


「じゃあ俺はなまえに花をプレゼントしようかな」
「はな!」


ティムが懐から花を一つ出しなまえに渡す。なまえは嬉しそうに笑った


「ありがとてぃむ!」
「いいえ。それよりこれからもっと暑くなるぞ、熱中症で倒れたら危ないから家に帰りなさい」
「うん!」


ティムに見送られてなまえは家へと帰ることにした
途中何度も振り返っては手を振るなまえにティムは笑みを絶やさずにはいられなかった



カンカンに照った太陽が真上に上がり小さいなまえの体にダメージを与えた


「あついよぉ……じょなぁ」


なまえはその場にバタリと倒れこんでしまう
その時一人の女が通りかかりなまえの体を起こす


「しっかりしろ」
「ん〜……」


彼女はなまえを抱き上げるとそのまま自分の家につれて帰った



――――……


なまえがパチリと大きな目を開けた
まず最初に映ったのが見慣れない天井に殺風景な部屋。側には冷たい飲み物などあった
なまえがキョロキョロと周りを見ていると一人の女が入って来た


「気がついたのか?」
「……ここどこ?」


なまえが不安そうな顔で言うので女は優しく微笑んだ


「ここは私の家だ。道端で倒れていた君を私が連れて帰ったんだ。あぁ私の名前はホット・パンツだ。君は?」
「なまえ!」


ホット・パンツの優しい微笑みになまえは警戒心が解け笑顔で名前を言った
ホット・パンツはそうか、と微笑み飲み物をなまえに渡す


「ありがとほっちゃん!」
「ほっ…ちゃん?私の事か?」
「うん!」
「なまえ…これからカキ氷を作るんだが……食べるか?」
「かきごおり!?すきすき!たべる!」
「じゃあ一緒に作るか」


ホット・パンツが台所に向かうので後についていくなまえ
用意する所もしっかりと見ているなまえにホット・パンツは時々頭を撫でてやる


「なまえこれやる!まわす!」
「よし…」


なまえがレバーを回すとガリガリと音を立てながら氷が雪のように皿へと落ちていく
なんとか2人分作り、なまえが寝ていた部屋へと戻る


「なまえの家はどこなんだ?」
「あっち」


適当に指を指すなまえにホット・パンツは苦笑いする。これでは彼女を家に送る事ができない


「ほっちゃんかぞくいないの?」
「え?あぁ…私はここで一人で住んでる」
「また遊びに来てもいい?」
「……なまえなら大歓迎だ」


えへへ、と笑うなまえの口にはカキ氷のシロップがついている
ホット・パンツはタオルで口元を拭いてやる




ピンポーン


「誰だ……?」
「あっちぃ〜!ホット・パンツ茶くれ!茶!」
「!」


扉を開けたと同時に入って来たのはジャイロだった
病院からの帰り道にあまりの暑さに耐えれなくて家が近かったホット・パンツの所に寄ったらしい


「断る。帰れ」
「冷たい事言うなよ〜」
「じゃいろ!」


奥から来たなまえがジャイロを見て声をあげる


「なまえ!?おたく何でここにいるんだ?」
「ジャイロ…知っている子か?」


ホット・パンツが驚いてジャイロに聞く
ジャイロは引っ付いてくるなまえの頭を撫でながら


「あぁ…俺の家の隣に住んでるガキ、ほらジョニィん所の妹だ」
「あぁ……」
「ん?なまえなんかいい匂いするな〜?」
「えへへ…ほっちゃんといっしょにかきごおりつくったの」
「ほっちゃん?」


なまえがホット・パンツを指差す。ジャイロはニョホホと笑うと


「何おたく、かわいいあだ名つけられてるじゃねぇか」
「っ!うるさい」
「なまえ、俺にもカキ氷くれよ」
「うん!」


なまえは一旦部屋に戻ってカキ氷を持ち、再び玄関に戻ってきた


「じゃいろ、はい」
「おぉサンキュ……って溶けてるじゃねぇか!?」
「残念だったな。食べたかったら自分の家で作れ」


ホット・パンツが嘲笑いながらいうと、なまえの方に向く


「もう夕方だ。ちょうどいいからジャイロと帰るんだ」
「うん!ほっちゃんまた来るね」
「あぁ」
「ちくしょーさっさと帰るぜなまえ!」


外に出たジャイロを追いかけるなまえ
もちろん出るときにホット・パンツに手を振るのを忘れずに



080729

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