カップルが子供連れてたら親子に見えるよね



「ふんふ〜ん♪」


徐倫が鼻歌を歌いながら、髪の毛を整えていた



【カップルが子供連れてたら親子に見えるよね】



「今日は久々にアナスイとデートできるわ!あー楽しみっ!」


徐倫はアナスイの顔を思い出し、知らずに顔がにやけてしまう


「徐倫。ちょっといいかい?」
「ジョナ?」


徐倫の部屋にジョナサン、承太郎…そしてなまえが入ってきた


「僕達出かけてくるんだ。だからなまえの面倒よろしくね」
「え?出かけるって……」
「前に言っただろ?今日はなまえの子守を頼むって……」
「あ!!」


そういえば一週間ぐらい前に言われていたような気がする……
でもすっかり忘れてデートの約束を入れてしまった……


「でもアタシ…アナスイと……」


そこまで聞いて徐倫は口を押さえる
承太郎の眉がピクリとなった


「アナスイ……だと?まさかお前、今日会う約束してたのか?」
「あ、いや…違う違う!なんでもない!」


徐倫は慌ててなまえを抱っこした


「ほらほら!子守ならまかせてさっさと行って!」


二人の背中を押し部屋から追い出した


「はぁ…どうしよう」
「じょりーん、おにんきょうであそぼ!」


悩む徐倫の事など知らないなまえは人形を一つ徐倫に差し出す


「ジョリ――――――ンッ!!」


大きな声と共にアナスイが玄関から呼ぶ
徐倫は玄関に向かう


「アナスイ…」
「あぁ!徐倫今日もかわいいな!迎えに来たよ!さっそく行こうか」


アナスイが徐倫の手を掴むが、徐倫が首を横に振る


「待ってアナスイ…ちょっと大変な事が起きたの」
「大変な事……?」
「あー!じょりーんがしらないひとにゆうかいされてる!」


アナスイが後ろで大声を上げているなまえを見る
なまえは空いている徐倫の手を掴んだ


「じょりーんつれていっちゃだめ!」
「……この子は誰なんだ?」
「妹のなまえよ。大変な事はこれなの……」


徐倫は自分の手を引っ張るなまえに困ったような顔を向けた




「なるほどな……それで面倒見ることになったのか」


事情を聞いたアナスイは頷いた


「まぁ…アタシが悪いからほって行くわけにも行かないのよ」
「うーん……」


アナスイは困ってしまった
せっかく徐倫とデートができると思っていたのだが……


「アナスイ、出かけるわよ」
「え!」


立ち上がった徐倫にアナスイは驚いたが
もしかしたら面倒を見てくれる人に心当たりがあるのかもしれない、と期待したのだが


「なまえも連れて行くわよ」
「……え?(それじゃあデートにならないんじゃ……)」
「なまえ。準備して、出かけるわよ」
「うん!」




とりあえずアナスイと来る予定だった水族館に来る事にした


「おさかないっぱい!」
「そうね、綺麗だわ」


徐倫と手を繋ぎ、水槽の前ではしゃぐなまえ
その後ろにアナスイがいた


(せっかくの徐倫とのデートなのにな…いやでも徐倫の妹だし……)


落ち込むアナスイの元になまえがやってきた


「あなしーも、おさかなみよ!」
「え?…あ、うん」


アナスイの手を引っ張るなまえに少々戸惑ったが


(……結構かわいいかも)


なまえの笑顔にさっきの落ち込みはどこかに飛んで行ってしまった




「じょりーんこれかって」


お土産屋の所でなまえがイルカのぬいぐるみを抱きしめて徐倫に言った


「ダメダメ。あんたこの間もジョナに買ってもらってたでしょ?」
「……いるかはいないもん」
「なまえちゃん。俺が買ってあげるよ」


アナスイの言葉に笑顔になるなまえ


「アナスイ、そんなの悪いわ」
「いいんだ。さぁ買おうか」
「ありがと!あなしー」


アナスイはお礼を言うなまえの頭を撫でた




次はどこに行こうかと、園内をうろつく3人
なまえはすっかりアナスイになつき、おんぶしてもらっていた


「じょりーん…おなかすいた」
「え?あ、もうそんな時間?」
「ホットドックがあそこで売ってるな…」
「じゃあそれ買いましょ」


3人がホットドック屋に向かう


「すみません。一つ下さい」
「はいよ!」


店のおじさんが手を伸ばしているなまえに渡す


「お嬢ちゃんいいなー。パパとママと出かけられて」


おじさんの言葉にアナスイと徐倫がハッとなる
そしてそのまま店を離れた


「……夫婦に見えたのね。アタシたち……」
「そうだな……」


二人は自然と寄り添い、手を繋ぐ


「あなしーじょりーんすき?」


なまえの質問にアナスイがあぁ、と頷き


「大好きだ」
「なまえもね、じょりーんだいすき!あとねあなしーもだいすき!」
「俺もなまえちゃん大好きだ」


そう言って笑いあう3人を周りは微笑んで見ていた



080706

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