かわいい子ほどいじめるんです



今日はジョースター家にはなまえとジョニィの二人だけしかいなかった



【かわいい子ほどいじめるんです】



「じょにぃー」


なまえがジョニィの部屋に入り顔を覗かせる
本を読んでいたジョニィが妹に気づいた


「どうしたんだ?なまえ」
「じょにぃなまえとあそんで」


なまえの手には二つの人形があった
クマとうさぎのぬいぐるみ、おそらくジョナサンにおねだりでもして買ってもらったのだろう


「いいよ。でももうすぐジャイロが来るんだ、その後でもいいかい?」
「うん!」


なまえが返事をしたときだった、玄関のチャイムが鳴った


「お―い!ジョニィ、来てやったぜ!」


玄関の扉を開け、大声で呼ぶジャイロ
奥からジョニィとなまえがやって来た


「ジャイロ!勝手に扉を開けるなって言ってるだろ」
「わりぃーな!お前が出てくるのが遅いからな」


ニョホホ、と笑うジャイロ、そして靴を脱ぎそのまま上がった


「よし!さっそくお前の部屋に行って足を診させてもらうぞ」
「あ、あぁ…」


ジャイロは医者を目指している青年である。そのためこうやってジョニィの足を診に来ているのである


「じゃいろもあとであそんでー」
「あぁ?俺は忙しいんだよ、一人で遊んでろ」


ジャイロの足にしがみつくなまえの頭を乱暴に撫でるとそのまま足を進めた


ジャイロはジョニィの足を診て、カルテに色々と書いていた
なまえはその様子をじっと見ていた


「おいなまえ。見られたらなんかやりにくいだろ」
「いいじゃないかジャイロ見てるぐらい、今のなまえの年齢はなんでも興味を持つ時期なんだから」


ジョニィに言われちっ、と舌打ちするジャイロ
なまえは紙とえんぴつを持ち出しジャイロと同じようにマネをしていた


「くまさんあしはだいじょうぶですかー?」


クマの人形の足を持ち、答えるはずもないのに聞くなまえに二人は思わず頬が緩んだ


「っく、あははは!ジャイロのマネしてるよ」
「クマなんかに聞いても意味ねぇのにな」


ジャイロも微笑みながら言う、カルテを書き上げた彼はなまえに近づいた


「しかしよぉこのクマのぬいぐるみいいなーなまえ俺にくれよ」
「や!じょなにかってもらったの!」


ジャイロに奪われまいとクマのぬいぐるみを自分の腕に抱く
しかしジャイロはさっと取り上げると高く上げた


「ほーら返してほしけりゃ取ってみな」
「やー!じゃいろかえしてっ!」


必死にジャンプをするが全然届くはずもない
ジャイロは楽しそうに笑っていた


「……呆れた。どうして意地悪ばかりして遊ぶんだろ」


ジョニィがため息つくが、彼がどうしてあんな事をするのか知っているからこそわかる

決してなまえが嫌いだからあんな事をするのではなく、むしろ好きだからこそいじめて遊びたくなるのだ


「どうしたなまえ、取りかえさねぇともう戻ってこないぜ?」
「む〜」
「いて!いてててっっ!」


ジャイロが悲鳴をあげる、その理由はなまえがジャイロの長い髪の毛を引っ張ったからだ


「くまさんかえして!」
「いててっ!わか、わかったから髪の毛引っ張るな!」


ジャイロが降参してクマのぬいぐるみをなまえに返す
なまえは嬉しそうにぬいぐるみを抱きしめた


「ジャイロの負けだね」
「うるせー髪の毛引っ張るのは反則だ」
「負けたんだからなまえに意地悪したこと謝らないとね」


ジョニィがクスクスと笑いながら言う
ジャイロが考えていると髪の毛に何かが触れた、なまえの手だった


「じゃいろごめんなさい…」
「は?」
「かみのけひっぱってごめんなさい。いたかったでしょ?」


なまえがよしよしとジャイロの髪の毛を撫でる

こうなった以上自分も謝るしかない。5歳児が素直に謝ってるのに大人の自分があやまらないなんて


「……悪かったななまえ」


ジャイロがポンポンとなまえの頭を軽く叩きながら謝る


なまえはすぐに笑顔になるとくまとうさぎのぬいぐるみを持ち出し、くまの方をジャイロに渡す


「え?」
「じゃいろいっしょにあそぼ!」
「……俺がくまのぬいぐるみ使っていいのかよ?」


ジャイロに聞かれなまえは首を傾げていたが、うんと頷く


「ちょっ、おたく今のはかわいすぎだろ!ちゅーしたくなったじゃねぇか」
「やめろよ!ジャイロ!」


ジャイロがなまえを抱き寄せてキスをしようとしたが、そこは兄のジョニィに止められる


その日は夕方までジャイロとジョニィに遊んでもらったなまえなのであった



080510

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -