お姉ちゃんって言われたらはりきるよね



「あ、笑ったわ!」
「かわいいなー」



【お姉ちゃんって言われたらはりきるよね】



先程から何に声をあげているのかと言うと、一人の赤ん坊にみんな興味がいっていた
名前は静。ジョースター家の近所に住む女の子の赤ん坊で事情があって預かる事になったのだ


「こうして見ると…なまえの小さい頃を思い出すわね」
「そういやそうだなー大きくなったよななまえも」


徐倫の言葉にジョセフがうんうん、と頷く
ジョナサンは静を抱き上げた


「そろそろミルクの時間かな?仗助!」
「できてるッスよ〜」


ジョナサンに呼ばれ台所から仗助が哺乳瓶をもってやってきた


「あーあー」
「はいはい、今あげるからね」


ジョナサンは優しく微笑んでいった


「ただいま!」


その時承太郎と一緒に外に出かけていたなまえが帰ってきた


「おかえりなまえ」
「ジョナ!」


ジョナサンに言われ、嬉しそうな顔をしたなまえだったがその視線はすぐにジョナサンの腕の中にいる静に向けられた


「なまえ。静よ、今日の晩まで預かる事になったの」
「………」


徐倫がなまえに丁寧に教えてあげる、がなまえはどこか拗ねている顔だった


「なまえ?どうしたんだい?」
「……そこなまえのばしょ」


腕の中にいる静を指差していった、ジョナサンを取られた気分がして嫌なのだろう


「なんだよ。兄ちゃんが抱っこしてやるだろ〜?」
「や、じょながいい」


ジョセフに言われても嫌だ、と首を振るなまえは静がいるにもかかわらず膝の上に乗ろうとした


「こ、こら!なまえ」
「ここなまえのばしょなの!しずかちゃんはどいて!」


ジョナサンの腕を引っ張ったり、腕の中に入り込んだりする
やがて静の表情が曇ってきた


「っ…ふぇぇぇぇっ!!」
「!」


とうとう静が泣き出してしまった、ジョナサンはあやしながら怒った表情でなまえを見る


「なまえ!小さい子泣かしちゃダメだろ!静ちゃんに謝りなさい!」
「…だってここなまえのばしょ…っ」


なまえも泣きそうな顔をしながらジョナサンに言うが、ジョナサンは表情を変えず


「謝らない子は二度と抱っこしてあげないよ」
「っ…ふぇぇぇぇっっ!!」


なまえは大声で泣き出すと、そのまま部屋を飛び出していった




なまえと出かけていた所から帰ってきた承太郎は、帰ってきてみんなの所には行かずに一人縁側で庭を眺めながら一服していた

そこへなまえがやってきた


「……どうした?なまえ」
「じょうたろ……っ」


なまえは承太郎の太い腕に引っ付いた


「何で泣いてるんだ?」
「……しずかちゃんになまえのばしょとられた」


なまえは泣きながらそう言う、承太郎はそれだけで何があったのかだいたい想像ができた


「じょうたろ……だっこ」
「もう大人だから抱っこはいらねぇって言ってたじゃねぇか」
「……おとなじゃないもん」


頬を膨らましながら言うなまえに苦笑いする承太郎


「……なまえ、お前は静からしたら姉ちゃんだ。今度はお前が面倒見てやらないといけねぇんだ」
「……おねえちゃん?」
「そうだ」


なまえが首を傾げて聞いた


「じょなたちがなまえをみてるようにするの?」
「あぁ。できるだろ?」
「おねえちゃん……うん!できる!」


なまえがニッコリと微笑んだ


「後、ちゃんと謝っとけよ」
「うん、じょなとしずかちゃんにあやまる!」
「えらいななまえは」


承太郎はなまえに微笑むと、抱き上げて自分の膝の上に乗せた


「じょうたろ?」
「……抱っこして欲しいんだろ?」
「うん!」


なまえはそれを聞いて嬉しそうに微笑んで承太郎のコートを握る





「さ、お昼寝の時間だよ。絵本読んであげようね」
「うーうー」


ジョナサンが静に掛け布団を掛ける、その時部屋になまえが入ってきた


「なまえ……」
「じょな…ごめんなさい」


なまえが頭を下げて謝る、続いて布団に寝かされている静に顔を向ける


「しずかちゃんごめんね」


静にも謝った
ジョナサンはそれを見て微笑んだ


「いい子だねなまえは」
「うん!だってなまえおねえちゃんだもん!」
「そうだね……」


なまえはジョナサンから絵本を取り、自分が読む、と言い出した


「なまえおねえちゃんだからよんであげる!」
「そうか…それじゃあ頼んだよ」
「うん!」


なまえのかわいらしい声が物語を読み始める



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