風邪引いたときは甘えられるからいいよね



「なまえ〜朝だよ」
「………」
「なまえ?」




【風邪引いたときは甘えられるからいいよね】



朝。いつもなら一番と言っていいほど早く起きるなまえがなぜか今日は起きてこなかった
そしてジョナサンがこうしてなまえを起こしに来たのだ


「なまえ?どうしたんだい…」
「ん〜」


ジョナサンがなまえの掛け布団を退かして顔を覗かせてみると、頬を真っ赤に染めたなまえがいた


「……熱があるじゃないか」
「うーん……」


ジョナサンが額に手をやると、熱さが伝わった



「なまえが風邪引いただと?」


承太郎が朝食を食べた後、一服にと煙草を吸いながらジョナサンに聞いた


「うん…熱があるらしいんだ」
「そういえば…昨日お風呂上りにすぐにパジャマに着替えずに裸で遊んでたしね」


徐倫が思い出したように話した


「とりあえず僕が面倒見てるよ」
「ジョナ。大学はいいのかよ?」
「今日はたまたま大丈夫なんだよ。だから夕飯のおかずよろしくね」


ジョナサンに返事をすると、みんなは学校へと出かけた



「なまえ」
「じょ…な…」
「体温計測るからね…はい腕上げて〜」


ジョナサンがなまえの体を起こし、腕を上げさせ脇に体温計を挟む


「じょな……がっこうは?」
「今日は行かないよ。今日はなまえの側にずっといるからね」
「ホント…!?」


なまえはそれを聞いて嬉しそうに微笑んだ
その時体温計が鳴る


「37度か…やっぱり少しあるね。やっぱり風邪か……」
「じょな……なまえおそとであそびたい……」
「今日はダメだよ。ちゃんと寝てなきゃ」


ジョナサンがなまえに掛け布団を掛けながら言った


「……や。じょながせっかくいるんだもん…」
「なまえ……」
「あそびたいもん……」


なまえが泣きそうになりながら言う、ジョナサンは小さく笑うと


「僕もなまえと遊びたいな…でもね。遊ぶのもいいけど僕は早く名無しが元気になってほしいんだ」
「……げんきになったらあそんでくれる?」
「もちろん!」


ジョナサンがなまえの頭を撫でながらいうと、なまえは嬉しそうに微笑んだ


「そうだなまえ。りんご剥いて来てあげるよ」
「りんご!」
「ちょっと待っててね」


ジョナサンはそう言うと台所に向かった




「はい。剥いてきたよ」


ジョナサンがお皿に入れてきたりんごを持ってくる


「食べれるかい?」
「たべさせて」
「はいはい」


ジョナサンは笑うと、なまえの小さな口にスプーンを持っていってやる


「おいしいかい?」
「うん!」
「よかったね…早く元気になろうね」


そしてもう一度スプーンを持っていく


「そろそろ寝ようか、なまえ」
「や……」
「……じゃあ絵本読んであげようか」


ジョナサンは側にあった絵本を手に取る


「じょなもよこでねんねして」
「え?僕も寝ながら読むのかい?」
「うん」


ジョナサンはなまえの横で添い寝するような体制になる
ジョナサンが横になると、なまえはすぐにジョナサンの胸に擦り寄ってきた


「なまえは甘えん坊さんだなぁ……」
「なまえ…あまえんぼうでもいいもん……」


まだ5歳だから甘えたがるのは仕方がないとジョナサンは思う。親がいないこの子にとっては……
ジョナサンは自分の胸に擦り寄ってくるなまえの頭を撫でながら絵本を読み始める


「むかーしむかし…一人の女の子がいました………」


遠くの方で心地よい声が聞こえる、自分の為に本を読んでくれる優しい兄の声……
それを聞きながら眠りについた



080324


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