第3話 Man devil hunting


「連続殺人事件?」

グラスを拭きながらロクサーヌは眉間に皺を寄せた
最近この辺りで女性が遺体をバラバラにされて殺されるという事件が多いのだ
犯人はまだ捕まっておらず警察官も注意するようにと告げると店を出て行く
それと同時にナナが駆け込んできて警察官と体がぶつかる
ジロリ、と睨みつけられて彼女は慌てて謝ると警察官はそのまま出て行く

「警察官…?」
「おはようナナ」
「おはようございます…ロクサーヌちゃん今のは?」
「あぁ…」

髪の毛を掻きながら重々しく口を開いた
女性ばかりが狙われているという殺人事件にナナも思わず顔をこわばらせた
この辺りばかりで起きているし自分も女性だ
いつ事件に巻き込まれてもおかしくはないのだ

「エイミーちゃんは来てますか!?」
「ちゃぁ〜んと来てるよ、おはよー」
「あっ…よかったです」
「……まぁ昨日の事もあったしな、ウチに泊まらせたんだよ」

悪魔に襲われたエイミーを心配してロクサーヌは彼女を自分の家に止めたのだ
家と言っても店なのだが…ここの店の2階は住居になっているのだ
エイミーの姿を見て昨日の事をナナは思い出す
自分も悪魔に襲われたことを二人に話した

「ナナも襲われたのか!?どこも怪我はしてないか!!?」
「あ、はい…大丈夫です」
「もしかしてナナちゃん…例のダンディおじ様に会った!!?助けてもらっちゃったりした!!?」

助けてくれた男の特徴を言えばエイミーは「おじ様だ!」と黄色い声を上げる
やはりエイミーを助けてくれた男と自分を助けてくれた男は同じ人物なのだ
更にエイミーは尋ねる

「何かしゃべった!?名前とか聞けた!!?」
「えっと…ダンテさんっておっしゃってました」
「そのおっさん…悪魔を倒せるなんて只者じゃねぇな…」

二人を助けてくれた男の行動を聞いてロクサーヌは考え込んだ
普通の人間で悪魔を倒せるなんてそんなにいない
そういえばこの間店に来た…昼間から酔っ払っていた男が悪魔狩りを専門としている男がいるという話を聞いたことがある
何しろ酔っ払いの話だったため信じてはいなかったのだが

「…ただの噂話じゃなかったってことか…」
「悪魔狩り……その方は人間なのでしょうか?」
「人間に決まってんじゃん!てゆうかどっちでもいいよ〜あたしたちを助けてくれたんだからいい人に決まってんじゃん!」
「……そうだな、どっちにしろ感謝しないとな」
「はい……」

そろそろ店を開けよう、とロクサーヌが一声かければ二人は返事をする
エプロンをつけてナナは店の外に出てCLOSEからOPENへと看板の向きを変える
そして再び店の中へと入ろうとしたときだった

「hmm…やっと開いたか」
「いらっしゃい…ま、せ…」

目の前に立っていた男を見てナナは目を見開いた
昨日自分を助けてくれたダンテが目の前にいたからだ
彼はナナを見て目を細めて微笑んだ

「また会ったな…baby」


Man devil hunting
(連続殺人かぁ…エイミー可愛いから狙われちゃうかもっ!)
(おーおー殺されろ、その分ウチも人件費助かるからな)
(えぇえっ!?冗談でしょロクサーヌちゃん〜)


120726


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -