第∞話 Her jealousy


日もすっかりと暮れてしまい夕飯の時間になった
依頼を終えて帰ってきたダンテは当然腹を空かしておりナナの手作り料理を食べるのは彼にとって楽しみの一つとなった


「はい、ダンテさん」
「お、今日はシチューか。いいな」
「たくさん作ったんで食べてくださいね」
「あぁ…「おぎゃあああああ」

微笑んで返事するダンテ、その時大きな泣き声が響き渡る
ナナはダンテに急いでシチューの入った皿を渡すと大きな声で泣いている娘の元へと向かった
ベビーベッドで寝かせていた娘を抱き上げる

「リリアもお腹が空いたんですね、今ご飯あげますから」

娘をあやすナナの"ご飯"という単語を聞いてダンテはニヤリと笑う
彼はスプーンを置いてナナが座っているソファーの横へと移動した
が、彼女は哺乳瓶を持っておりそのままリリアの口元へと持っていった

「あれ…?」
「どうしたんですか?」
「……もう粉ミルクでいいのか?」
「?…はい、もうリリアも母乳は卒業です。これから離乳食に移ってその内私のご飯も食べてくれるようになるんですよ、楽しみですね」
「hmm……そうか母乳は卒業か、残念だな楽しみが一つ減っちまった」

楽しみ?と首を傾げるナナにダンテは彼女の胸を突いてやる
意図がわかったナナはすぐに顔を赤くさせてダンテさんっ!と怒ったような声を上げた
そうダンテは母乳をやっている姿を見るのが一つの楽しみとなっていたのだ

「最低です…ダンテさん……」
「そう怒るなよ、また吸わせてくれよ?」
「!!な、何言って「だーうー!!」

その時リリアが声を上げてダンテの服を掴んでいた
見ると彼女はミルクを全然飲んでいなかった、ナナが哺乳瓶を彼女の口元に持っていくのだが飲もうとしない

「リリア?どうしたんです…?飲んでください」
「……」
「リリア、飲まなきゃ大きくなれないぞ」
「だーう!」

ダンテが話しかければリリアは嬉しそうに声を上げて彼の方へと移ろうとする
そんな娘に微笑んでダンテは高く抱き上げてやる

「なんだ?俺が好きか?」
「きゃー!!」

ナナから哺乳瓶を受け取って口元に持っていけばリリアはゴクゴクと飲み始めた
どうやら娘は母親より父親の方が大好きなようだった
一日中面倒を見ているのは自分の方だと言うのに、何だか複雑な気持ちになってしまった



「そらリリア高い高いだっ!」
「きゃーあ!!」

食事を終えて後片付けをしながらナナはその様子を見つめる
ダンテが娘をあやしている姿を見ると目を細めてその光景をずっと見つめていたい
だがやはりリリアはダンテの事が大好きなのだと知るとどこかで嫉妬している自分がいる

(娘に嫉妬だなんて…母親として恥ずかしいです)
「ナナ…リリアの風呂はどうする?」
「あ、私がいれます」

皿をちょうど洗い終えたナナはタオルで手を拭いてダンテからリリアを受け取ろうとする
父親から離れた事に気がついたリリアはすぐにぐずりだした

「うーうー!!」
「リリア、私とお風呂に入りましょう」
「だーっ!うーっ!!」

腕の中で暴れだすリリアにナナは苦笑する、見かねたダンテはリリアを抱き上げて自分がいれると言った
このままだと娘は多分自分とは入ってくれないだろう。ここはダンテに任せる事にした


* * *

風呂から上がって寝室のベッドで横になっていたナナの所へダンテがやって来る
相変わらず彼は上半身裸という楽な格好だ
おやすみのキスをしようとしたとき再びリリアが声を上げる、ベビーベッドからこちらを見ていた

「ダンテさん…リリアが呼んでますよ」
「行かないのか?」
「…リリアは私よりダンテさんのがいいんです」

ちょっと不貞腐れた表情のナナにダンテはくすっ、と笑うとベビーベッドへと近づき手すりに掴まって立っているリリアの唇に人差し指を押し付けた

「リリア…もうねんねの時間だぜ、悪い子だな」
「だー!」

抱っことねだるのだがダンテは首を横に振っておしゃぶりを彼女の口に咥えさせた

「悪いがこっから先はナナを愛する時間だ、大人しく寝てな」

ダンテはそう言うとナナに覆いかぶさり深いキスをした

「んっ…はぁ…」
「娘に嫉妬なんてめずらしいな」
「…嫉妬なんかじゃないです…」
「安心しろよ、これからたっぷり愛してやるから」

そう言って再び唇を重ねる
そんな二人の様子をリリアはやってられない、という感じでおとなしく寝る事にした


Her jealousy


ヒロインVS娘の話が書きたかったんです、後ダンテが母乳やる姿を楽しみにしていたエロ親父っていう話もww
120924


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