第∞話 Want to have children with you


仕事が休みのナナは事務所を掃除してソファーで寛いでいたのだが、とても退屈だった
夕方にはダンテも帰ってくるし買い物もその時でいい、気晴らしに外へ散歩に行くことになった



「こんな所に公園があったんですね…」

適当に歩いていると小さな公園を見つけてナナは入っていく
錆びれたベンチに腰をかけて遊んでいる子供達をじっと見つめていた
無邪気に遊ぶ子供達にこちらも自然と頬が緩んでくる、見ていて全然飽きない
自分に子供がいたら毎日がすごく楽しいのだろう
と、考えたところでナナは頬を赤く染めて首を横に振った

「私ったら何を考えてるんでしょう……」

ダンテとの子供は欲しい、愛する男の子供を産むのは女の幸せの一つでもある
しかしこの間彼と初体験を終えたばかりのナナには刺激が強すぎる
幸せだったけれど恥ずかしくてとても何回もできそうにない
だけど…どこかでまた愛されたいと思っている自分もいる

「うえーーーん!!ママああああぁあぁぁっっ!!!!」
「!」

その時聞こえた子供の大きな泣き声にナナはそちらを見た
小さな女の子が大きな声で泣いている、どうやら迷子になったらしい
すぐに側まで近づいて小さな頭を撫でてやる

「お母さんとはぐれましたか?」
「ひっく…えぅ…うん…」
「大丈夫です、一緒に探してあげます」

ナナの優しい微笑みに安心したのか女の子も泣くのをやめて微笑んだ
微笑んだ顔がまたも可愛らしくナナの心をくすぐる
何だか抱きしめてあげたい感情が浮かんでくる

「ナナ!」
「ダンテさん…!?」

後ろから自分を呼ぶ声に振り返ればダンテの姿がそこにあった
見ると彼の後ろに知らない女性がいる、一体誰なのか…
その時自分の側にいた女の子が突然走り出した、その女性も女の子を見るなり明るい笑顔を浮かべて女の子を抱きしめた

「ママ!!」
「何処に行ってたの!?心配したのよ」

どうやら女の子の母親らしかった
何故ダンテと一緒に行動していたのかを尋ねると、仕事を終えたダンテに母親が娘を知らないか?と尋ねてきたらしい。普段ならそのまま去る所だが何故か放っておけなかったらしく一緒に探す事になった
母親はお礼を言うとそのまま娘と帰っていく

「子供ってのは大変だな、すぐにどこかに行くからな」
「はい…でも、とっても可愛いと思いますよ」
「へぇ……」

ナナの言葉を聞いたダンテはニヤニヤ笑うとそのまま彼女の手を引いて事務所へと帰っていく
ダンテに手を引かれるまま事務所へと帰ってきた途端彼はそのまま寝室へとナナを連れて行く、ベッドの上に座らされた彼女はそのままダンテを見上げる

「ダンテさん…?」
「――作るか、子供」
「え……ど、どうしたんです!?」

赤いコートを脱いで地面へと放り投げるダンテにナナは慌てて声をかける
そのまま彼は彼女を押し倒して胸元のリボンに指をかける
そして唇が触れそうな距離で再び口を開いた

「欲しいだろ?さっきそんな顔してたもんな」
「っ…そ、れ…は」
「俺は欲しいけどな…ナナとの子供」

ダンテも望んでいた事を聞いてナナは心臓が大きく鳴った
どうしてこの人とはこんなにも同じことを想っていて益々愛しくなっていくのだろうか
彼の太い首に腕を回して耳元で囁くとダンテはくすっ、と笑って唇を塞いだ

――欲しいです、ダンテさんと私の子供



* * *

「ナナちゃんに会うの久しぶりだな〜もう子供とかいるの?」
「馬鹿、数ヶ月前に初体験終えたんだぜ?それにあの恥ずかしがり屋のナナがそれはまだ無理なんじゃないの?」

久しぶりにパリから帰ってきたエイミーはロクサーヌの店に来ていた
ダンテとナナの進展を楽しみにしていたのだがまだ子供はいないと聞いてガッカリとしていた
その時ダンテとナナが店に現れた

「きゃー!おじ様にナナちゃん!久しぶり〜」
「エイミーちゃん!お元気そうで何よりです」
「よぉ、相変わらずだな」

嬉しそうに叫ぶエイミー、久しぶりに店に現れたダンテを見てロクサーヌは少々驚いたように目を見開いた
ナナと結婚してから彼は店に来なくなったのだ、お目当てのストロベリーサンデーもナナも自宅で味わえるようになったからだ
ロクサーヌは口を開いた

「ダンテが来るなんて珍しいな」
「あぁ、今日はお前に報告があってな…しばらくしたらナナを休ませて欲しいんだ」
「は?なんで…?」

ダンテに背中を押されてナナは恥ずかしそうにしていたが
ゆっくりと口を開いた

「…赤ちゃんができたんです」
「え………」

ナナのおめでた報告にロクサーヌは固まり、エイミーは再び叫び声を上げていた

赤ん坊が二人の元に来るまで後もう少し……


Want to have children with you


結婚したらやっぱり愛する人との子供が欲しいと思う話です。ダンテと一発ヤッたらすぐに妊娠しそうだwwそれにしても私はこのダンテとヒロインがものすごい好きみたいです
120920


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