第∞話 I swear eternal love to you


それでも貴方は行ってしまうんですね…

事務所の玄関の扉が閉まる音を聞いたナナはシーツを握り締めながら涙を流す
こんな事は今までになく初めての事だった
彼の仕事は悪魔退治。怪我をして帰ってくることなんか当たり前だし、それを承知で好きになった。一緒に暮らし始めた
だけどどうしても両親が悪魔に殺されてしまったトラウマが彼女を心配させてしまう
いくら最強のデビルハンターと呼ばれても万が一の事だってあるかもしれない


あの日から数日後
ダンテは帰ってこなかった
いつも通り出勤するナナだがやはりダンテの事が気になって仕事が手につかない
何かあったのか、とロクサーヌが尋ねる

「ケンカ……しちゃったんだと思います」
「仕事の事でか……?」
「だって…ダンテさん……私がこんなに心配してるのに……わかってくれないんです…」

涙を流し始めるナナをロクサーヌは優しく声をかける

「ダンテだってナナの気持ちはわかってるはずだよ。けど悪魔退治はあいつの本業なんだし、死なない程度にあいつだってやるって」
「……」
「ナナ…あんただってそれを承知でダンテを好きになったんだろ?理解して付き合ったんだろ………まぁいいや、今日は帰りな」

肩を優しく叩かれてナナはダンテの事務所へと帰る事にした


事務所への道をゆっくりと歩いていく
今日だって帰ってもきっとダンテはいないんだろうし、帰りたくなくなってくる
一体いつになれば帰ってくるのか
事務所の扉を開けて中を見たナナは目を見開いた
たくさんの赤い薔薇が部屋中にあったのだ

「これは…一体……?」
「おかえりナナ」
「ダンテさん…」

奥からダンテがやって来てナナを抱きしめる
抱きしめられて一瞬目を見開いたがそのまま切なそうに目を細める
彼の心臓の音が聞こえる、ちゃんと生きている

「ダンテさん…この間は怒鳴ってごめんなさい……私、ちゃんとダンテさんの仕事を理解してお付き合いしたのに…」
「いいんだ、お前の気持ちは痛いほどわかるから」

また力強く抱きしめられ、ナナも彼を抱きしめ返した
そして身体を離されると改めて部屋の中の薔薇を見つめる

「そういえばこんなにたくさんの薔薇…どうしたんです?」
「ナナへのプレゼントだ…」
「プレゼント…?…ぁ」

こんなにたくさんの薔薇を買うためにダンテはたくさんの依頼を受けていたのだろうか?
そう尋ねると「それもそうだが」とダンテは答えて懐から小さな箱を取り出して彼女の目の前で開ける
そう指輪が入っていたのだ

「これ…!!」
「結婚指輪だ…レディから借金して買うこともできたが、やっぱりこういうのは自分で稼いだ金じゃないとな」
「ダンテさん…」

ダンテはナナの小さな手を持って手の甲へと唇を寄せる

「俺と結婚してくれませんか?」
「……はいっ!」

満面の笑みで返事をするナナにダンテは微笑んで指輪を彼女につけるとそのまま口付けた


I swear eternal love to you


やっぱりプロポーズの話が書きたくて書いちゃいました!!ダンテに薔薇は外せない…
120911


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -