第∞話 I swear eternal love to you


「ふぅ…やっと終わりました」

最後の空になった段ボール箱を潰して壁に置く
あの事件から1ヵ月後、ダンテと改めて気持ちを確かめ合った二人は昔約束したとおり一緒に暮らすこととなった
住んでいたアパートを引き払い、ダンテの事務所にやってきたナナはようやく自分の荷物の整理を終えた
部屋の中を眺める彼女は後ろから抱きしめられた

「終わったか?baby」
「ダンテさん!はい…なんとか」

彼を見上げて言うナナの唇に優しくキスを落とすダンテ
離されれば顔を赤くさせて戸惑う彼女の姿にダンテはくすっ、と笑う
恋人同士になったもののやはりどこかくすぐったくて恥ずかしい
ダンテはナナを離すと口を開いた

「仕事が入ったから、出かけてくる」
「晩御飯はいります?」
「……あー…いらねぇ、てか数日は戻らない」
「!…そう、ですか…気をつけて下さいね」

ダンテは頷いてナナの額にキスをするとそのまま出て行く
数日も家を開けるなんてよっぽど大変な依頼なのだろうか?心配になってくる
悪魔絡みの仕事だし、ダンテの事だから心配は要らないがそれでもやはり不安だった


* * *

「え?ダンテの奴、今いないのか」

コーヒーを飲みながらロクサーヌは少々驚いたように聞いた
続いてエイミーも口を開いた

「まぁおじ様にも稼いでもらわないとねぇ〜」
「そりゃそうだけどよ…前もそんな事言ってたよな?」
「はい……」

そう今回が初めての事ではなかった
ナナが荷物の整理をしている間もダンテは何度か帰らない日が続いた
1回の仕事量で1か月分の生活費はやっていけるほどもらえるのに彼は月に何度も依頼に出ていた

「気にすることねぇんじゃねぇか?エイミーの言うとおり稼がないといけねぇって思って仕事してんだろ」
「そう…ですよね」
「うんうん…浮気とかはぜっ〜たいにありえないし、ナナちゃんの為に頑張ってるんだよ」
「でも……危険な仕事だし、無理はしてほしくないです」

心配そうに顔を俯かせるナナにロクサーヌもエイミーも困った顔になった


店から帰ってきたナナは床にコートが落ちているのに気がついた
持ち上げてみれば大量の血がついていた、それを見て目を見開くと奥からシャワーを浴びたダンテが上半身裸で出てきた。ダンテは彼女に気がつくと微笑んだ

「おかえりナナ」
「ダンテさん…どこか怪我したんですか?」
「ん?あー……まぁな、さすがに依頼領が高いだけあって悪魔も少々ややこしい奴だったんだ。まぁちゃんと仕留めたけどな」

笑って言うダンテにナナは抱きついた

「ナナ?」
「…もう仕事にしばらく行かなくていいです…生活費は十分ありますよね?」
「………駄目だ、後1件依頼が残ってるんだ。数時間経ったら出発する」
「でも…怪我が…」
「大丈夫だ、すぐに傷口なんて塞がる…だから心配なんて「それでも万が一の事があるかもしれないじゃないですか!!」

突然大声を出したナナにダンテは驚いて目を丸める
彼女の目からはボロボロと涙が零れている、彼は彼女を抱きしめようとしたがそれを振り払われ2階への階段を上り部屋に閉じこもってしまった
その姿を見てダンテは髪の毛を掻いて服を着るとそのまま事務所を出て行ってしまった


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