第26話 A souvenir of death


「大丈夫かエイミー?」
「うん…ものすごい揺れたね〜」
「あぁ一体何だってんだよ」

店に戻っていたロクサーヌとエイミーはいつも通り店を開けていた
そこに大きな地震が来て二人とも思わず地面に倒れてしまったのだ
ロクサーヌは拭いていたグラスを置いて外の様子を見に行く

「な、んだよ…あれ」
「うわ……」



* * *

ドオオオオオンッ!!!

光の弾がダンテに向かって放たれた
ダンテはそれを思い切り腹に喰らい数十メートル先まで吹き飛ばされていく

「ダンテさんっ!!!」
「ハハハッ!いいぞナナ!さぁ…次はオトモダチを殺しに行こうか」
「やめて…やめてくださいっ!!」

ナナが嫌だと否定しても女神の像は店に向かってゆっくりと動き始める
地面を見れば逃げ惑う人々の姿が見える
必死に体を動かすがビクともしなかった、ダンテは無事だろうか?


瓦礫の下から出てきたダンテは埃を払いながら女神の像の背中を見つめる
地面から行っても仕方がない、やはり自分も高いところに上ってそこからナナを救うしか方法がないようだった
ダンテは建物の屋上へとジャンプした


「こんな事はやめてくださいっ!!」
「おいおい…俺がこの像を動かしてるんじゃないんだぜ?この像に取り付いている悪魔に言ってくれよ」
「お願いですやめてくださいっ!!!」

顔を上に向けて言うが女神の像は当然聞く耳など持たない
黒ダンテはその様子に喉の奥で笑うと再び口を開いた

「なぁ…ナナ、お前が段々とその女神と一体化していってるのがわかるか?」
「え…?あ…っ!!」

黒ダンテに言われて自分の手を見てみると女神の像の中へと入っていっていた
足も段々と中に飲み込まれていくのがわかる
このまま自分がこの像と一体化してしまったらどうなってしまうのか?

「お前の大嫌いな悪魔になっちまうな…このままじゃ」
「っ…!!」
「冥途の土産にオトモダチを殺しに行こう…」

涙を零すナナ
そんな彼女の表情が楽しくて仕方ないのだが殺気を感じて黒ダンテは高くジャンプしたと同時にダンテがその場にリベリオンを突き刺した
避けられたことにダンテは舌打ちをして黒ダンテを見た

「避けられたか…」
「ダンテさんっ!!」
「hmm…生きていたか、まぁあの程度で死んでもらってもつまらねぇしな」

黒ダンテは背中のリベリオンを抜くとダンテに向かって突っ込んできた
ダンテは高くジャンプして上から二丁の銃を構えて撃つ、が黒ダンテも同じように二丁の銃を構えて撃つ
二人の間にいくつもの弾が地面へと落ちる

「チッ…」
「言ったろ?俺はお前なんだ…それよりグズグズしてていいのか?ナナが悪魔になっちまうぞ」

ダンテはナナの方を見れば彼女が像と一体化していくのが目に見えた
黒ダンテに向かって一発銃を撃つと彼は急いでナナの元へと向かう

「ダンテさん…っ」
「待ってろbaby、すぐに助けてやる」
「ダンテさん…ごめんなさい私…酷いこと言いました…こうして助けてに来て下さってるのに……」
「いいんだ……また俺の為にストロベリーサンデー作ってくれるか?」

涙を零しながら謝るナナの頬にダンテは優しく触れる
微笑んで頷くナナ

ドスッ!!!!

「え……」

ダンテの胸をリベリオンが貫かれた、そう黒ダンテが刺したのだ
更に彼は一旦離れるとルシフェルを取り出し彼の背中にいくつもの棘を刺した
刺されたダンテはゆっくりと下へと落ちていく
手を伸ばそうと思っても腕はすでに飲み込まれていて動かせない
ダンテの姿が小さくなった
黒ダンテは再び女神の肩に飛び移りニヤリと笑った

「アディオス…臆病者」
「ダンテさぁああああぁぁぁぁんっっっっ!!!!!!」

ナナの叫び声が響き渡る
彼女の体がどんどんと一体化されていく、そしてとうとう女神の中にとりこまれてしまったのだ


A souvenir of death
(哀れだな臆病者…そしてナナ、お前はもっと哀れだ)


120906


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