第25話 The beginning of heaven and hell


屋根の上を飛び回っていた黒ダンテはある場所に着くと、そのまま乱暴にナナを降ろした
地面に叩きつけられた彼女は呻き声を上げながら体をゆっくりと起こした
たどり着いた場所は街から少し離れた何もない場所だった

「ここは…?」
「忘れたか?よーく思い出してみろ」
「思い出すって…?」
「ほら…例えばあのへこんだ壁……何が"当たった"んだろうな?」

黒ダンテに言われてへこんだ壁を見たナナは目を見開いた
心臓がうるさいぐらいに鳴る
遠い過去の記憶が蘇る、そう両親と一緒に悪魔に襲われてそのへこんだ壁は父親が車をぶつけた時のものだ
現場はここだったのだ。嫌、と首を振るナナを黒ダンテは楽しそうに見下ろす
絶望に落ちていくような顔が堪らなく好きだった

「ここでお前ら家族は悪魔に襲われた。幼いお前を両親は庇った…その結果悪魔にとりつかれてお前を襲おうとしたんだ」
「っ…」
「思い出したか…その後「ナナっ!!」

上から降りて来たダンテの姿を見てナナは嬉しそうな顔をした
黒ダンテはダンテの登場に嫌味ったらしく手を叩いた

「ちょうどいい…アイツも来た事だし話の続きをしよう」
「続き…?」
「お前ここがどこだか覚えてるだろう?ナナの両親が死んだ場所だ」
「!!」
「なぁナナ…お前の両親は悪魔にとりつかれて死んだと思うか?」

どういうことなのか、と言った目でナナは黒ダンテを見つめる
彼はニヤリと笑うとそのまま彼女の顎を掴んでダンテの方へと向かせた

「アイツがお前の両親を殺したんだ」
「え……?」

――ナナが気を失った後…殺されたんだ。悪魔にな

悪魔に殺されたんじゃなくて…悪魔の血を受け継いだダンテさんに殺された…?

悪魔悪魔悪魔悪魔悪魔悪魔悪魔悪魔

「ナナ!ちゃんと事情があるんだっ、話を聞け」
「何の事情だ?どんな理由があろうと結果殺したのはお前だろ?」
「もう嫌…嫌です…っ……」

ボロボロと涙を零すナナの顔を見てダンテは口を止めた
その顔は小さいときに出会って泣いてばかりいた彼女の顔を思い出させる
ナナは首を横に振る

「悪魔なんて…だいっきらいですっ!!!!!!!!!!!」

彼女がそう叫んだとき、突然体に黒い霧が纏い始める
ダンテは目を見開き黒ダンテはまるでこれを待っていたかのように笑った

「ハハハハッ!いいぞナナ!お前の中にある負の感情が暴走したようだなっ」
「何…これ…?」
「人間の負の感情を利用した悪魔がお前にとりついたんだ…さぁ暴れてやれっ!」
「きゃあああぁぁっっ!!!」
「ナナっ!!!!!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
突然地響きがなる、ナナの地面から巨大な女神の像が現れる
彼女の体もそのまま宙へと上がり女神の胸へと何かで縛り付けられたかのように固定された
黒ダンテもそのまま飛び上がると女神の肩へと移動した

「さぁ町中の人間を殺してやれ、そしてここを魔界にしてやろうぜ」
「お前は何者だっ!!」

ダンテの怒鳴った声に黒ダンテはククッ、と笑う

「俺はお前だ…」
「!?」
「さぁ、まずは目障りなアイツを殺してやろうぜ!!」

女神の像が手に光のパワーを溜めるとそれをダンテに向けて撃った


The beginning of heaven and hell
(さぁ楽しいショーの始まりだ)


女神の像は4のアレを思い描いてくだされば…w
120905


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