第17話 Families targeted by the Devil


「パパーママーはやく〜!」

玄関の扉を勢い良く開けて階段を降りるとナナは振り返る
そして未だに玄関でコートを着る準備をしている両親二人に手を振る
母親は娘のその様子を見て困ったように笑って「はいはい」と答える

「あなた、可愛い娘が待ってますよ」
「あぁわかった。ぬいぐるみを買いに行くだけであんなにはしゃぐとはな」
「家族で出かけられるのが嬉しいんですよ、あの子は」

地面の雪を蹴って待っているナナを見つめる二人
それに気づいた彼女は再び頬を膨らませて早くと手を振る
両親は答えると車に乗り込んで町へと走らせた


* * *

「レディ、聞いていた話と違うじゃねぇか」
「あら?そうだっけ…でもこんなにお金が手に入ったんだからいいじゃない」

嬉しそうにお金を数えるレディにダンテは呆れたようにため息をついた
それから焼きたてのピザを頬張りながら窓から景色を見つめる
ちらほらと雪が降ってきていたのだ

「道理で冷えると思ったぜ…」
「あぁ雪ね、いいじゃない今夜はクリスマスなんだし」
「クリスマスねぇ…」
「――はい、これがあなたの取り分よ」
「Hey!これだけでどうやって生活しろってんだ!」

少ない札束を渡されてダンテはレディに迫る
だが彼女はコートを着て立ち上がると彼を見下ろした

「先日どっかの店の窓ガラスを割ったでしょ?それの弁償も含めてるから…残りはそれだけってわけ」
「ちっ…」
「よかったじゃない、少しでも残って。それじゃあ私は帰るから、あなたも今日は帰りなさいよ」

片手を振って去るレディにダンテは乱暴にポケットに札束を突っ込むと残りのピザを口に含んでから店を出た


* * *

「ありがとうございましたー」

一軒のおもちゃ屋から出てきたナナは嬉しそうにくまのぬいぐるみを抱きしめていた

「ありがとうパパ!」
「いいんだよ、よかったなー残っていて」
「さぁ帰りましょう。今夜はクリスマスパーティよ」

車のドアを開けたときだった
ナナが何気なく空を見上げたときだった、屋根の上に見たこともない生き物がいた
大きな赤い目をギョロギョロとさせてこちらを見ている

「ぁ……」
「ナナ…?……!!!?」

娘の異変に気がついた父親も同じように見上げて目を見開いた
そこにいたのは悪魔だったからだ
彼は急いで娘を車に乗せて自分の妻にも早く車に乗るように言うとスピードを上げて車を出した
それと同時に悪魔も彼らを追いかけ始める
一匹ではなく何十匹もだ

「パパ、あれなんなの…?」
「あなた…!」
「くっ…こんな時に!飛ばすからしっかり捕まっておけ!!」

いつもの優しい父親の顔がとても険しくなっておりナナは怖くなった
そして母親にぎゅうとしがみついた
車はスピードを上げて街中を走っていく
その時ダンテがすれ違い彼はスピードを上げて走る車を見て首を傾げた
だがその後を追いかける悪魔を見て口の端を上げた


車は街から少し外れた所に出た
だが悪魔がタイヤを攻撃したためハンドル操作が利かなくなる
そのまま壁にぶつかるとナナと母親はその勢いで外に放り出されてしまった

「ぅ…」
「ナナ!大丈夫!?」
「だいじょーぶ……パパは?」

母親に抱き起こされてナナは周りを見た
すると痛みを抑えながら父親が車から出てきた、母親はすぐに駆け寄った

「あなた…!!」
「平気だ…問題はここからだ。何としてもナナだけは守らなければ…」

父親は車の中から拳銃を取り出した
そして自分の背中に母親とナナを隠しながら銃を悪魔に向かって撃った
何匹かはそれで倒れた、だがこちらの弾が先に切れてしまった

ドスッ!!

「ぐっ…ふ…」
「あなたっ!!!」

父親が悪魔に胸を貫かれてその場に倒れこんだ
すぐに母親とナナが駆け寄る、だが悪魔は次にナナを狙って攻撃してきたのだが母親が庇って腹部を貫かれた

「ママっ!!!」
「に、げて…ナナ……」
「パパ!ママ!!……ぁ」

悪魔がナナの前にやって来る、そのまま悪魔はナナを投げ飛ばすと父親と母親を取り囲んだ
そして彼らの体を乗っ取ると父親と母親は身体を起こして赤い目でナナを見つめた
その目に恐怖を覚えて動けなくなってしまったナナは身体をガチガチを震わせながら涙を流す

「パパ……ママ……」

鋭い爪でナナは身体を斬られ、血を流しながら宙に浮くと再び地面に叩きつけられる
もうここで死ぬのかもしれない
彼女はそのまま気を失ってしまった
止めを刺そうと迫る二人に銃声が聞こえた
ダンテがそこに立っていた

「そんなお嬢ちゃん相手にしても退屈だろ?俺が相手してやるぜ」
「…臭うぞ…その血はスパーダの血…っ!!!」
「へぇ…親父を知ってるのか?」
「スパーダの血族は殺すっっ!!!!」

一気にダンテに向かって襲い掛かってくる
彼は上空に飛んでそれを交わす、だが同じように二人も空中へと追いかけてくる
ダンテの横腹へと蹴りを入れて地面に叩きつける
痛いな、とダンテが唇を噛んでいるとすぐにまた悪魔が襲い掛かってきたので銃を撃って母親に取り付いていた悪魔を倒した
残りは父親にとりついている悪魔だ、いつの間にか悪魔はダンテの背後に回りこんでいた
そしてダンテの胸を貫いたのだが彼はこれぐらいでは死なない
銃を悪魔に向けて撃ち、振り返りざまにリベリオンで悪魔の胸を貫いた

「結構厄介な悪魔だったな……」
「ごほっ……スパーダの息子…か?」
「ん?アンタは誰だ?」

意識を取り戻した父親が咳き込みながら口を開く
ダンテはしゃがみこんで彼の声が聞こえるぐらいに近づいた

「私の先祖は…昔…スパーダに協力していたと言われている……」
「何…!?」
「人間界を救おうとする彼の為に…知恵を貸し、力を貸したそうだ……」
「……だから悪魔に狙われてるのか」
「……頼む、ナナはその血を引く娘だ。ここでその血を途絶えさせてはいけない……娘を守ってやってくれ…頼む……」

その言葉を最後に息を途絶えた
ダンテは彼の目を閉じてやると気を失って倒れている小さな体に目を向けた

「……とんでもない事を頼まれちまったな」


Families targeted by the Devil
(金少ないけど…やっていけるかな…)


3の後ぐらいの話?このときのダンテの姿は3の髪と顔で1ダンテの服を着た姿かなー?
120821


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