第5話 Woman bad luck with men


ビリーはソファーで寛いでいた
ナナはそんな彼に遠慮がちに声をかけた

「さっきはありがとう…変なところ見られたわね…」
「いや……それより彼氏だったんだろ?いいのか別れて?」
「あ、いいの!全然っ!私は終わらせたかったから…」

そうか、とビリーは短く返事をした
リュックを地面に置いてナナは椅子に座り再び口を開いた

「…数ヶ月前に付き合ったんだけど…あいつ、すぐに他の女の子と寝て…最初は優しかったんだけど女癖が悪い男だったの」
「……」
「最初に付き合った彼も…浮気してて……」

別れちゃった、と小さく言うとナナは顔を俯かせた
どうして自分はこんなに男運が悪いのか、映画のような素敵な恋愛などのように上手くいかない
段々涙が零れてきた、泣いている彼女に気づいたビリーはソファーから体を起こして彼女に近づくと頭に優しく手を置いた

「次がある…次はきっといい男が見つかるさ」
「…っ」
「お嬢さんのような優しい女にそんな奴らはもったいない…美人だしな、すぐにいい男が見つかる」
「……ありがと」

涙を拭いて微笑むナナにビリーも薄く微笑んだ
彼は部屋に飾っていた写真を彼女の手元へと持っていく、ピーターと写っている写真だ
ビリーは顎でそれを指す
ナナはそんな彼を見て口の端を上げるとその写真を破いた

「ねぇ…ビリーは何人の女性と付き合ったの?」

ナナの言葉にビリーは黙り込んだ
もしかして聞いてはいけないことだったのだろうか、と彼女は思った

「……一人だ、俺が海兵隊に入る前に別れたがな」
「海兵隊に入っていたの?」
「……あぁ」

道理でいい体をしていると思った
その様なところで鍛えられなければそんなに筋肉はつかない、とナナは思った
それにしてもビリーのことを少し知ることができて嬉しかった
最悪何も答えてくれないと思っていたからだ

「そろそろ夕飯にしないか?」
「…そうね、よかったら外に食べに行かない?」

ピクッ、とビリーの体が反応した
出かける準備をしているナナは気づいていなかった
ビリーとしてはなるべく外には出たくないのだが……

「どうしたの?」
「いや……」
「おすすめのパスタの店があるの、貴方にもぜひあの味を知ってほしいわ!」

楽しそうに言うナナにビリーは行けない、とは言えなかった
彼は上着を羽織ると彼女と共に外に出た



120630


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