06


次の日にはすっかり熱も引いたのはさすがというべきだろうか
クリスは車でいつも通り出勤してS.T.A.R.Sのオフィスに入った
自分の席に来るなり後ろにいたジルが振り返って声をかけた

「おはようクリス、もう大丈夫なの?」
「おはよう、あぁすっかり良くなったよ」
「そう……で、どうだったの?」
「え?」

何の事だ?という風に首を傾げるクリスにジルはため息をついた

「ナナが来たでしょ?告白したの?」
「え…あ、するわけないだろっ!」
「どうして?せっかく私がチャンスを与えたのに!」
「ナナは心配して来てくれたんだぞ…それなのに…」

クリスの意気地なしとジルは自分の机へと向き直った
確かに告白するチャンスだったのかもしれない、だけど自分の夢で見た妄想やベッドでの出来事など色々と積み重なって告白どころではなかった
第一まずナナはどんな男性が好きなのか、自分が告白して彼女のタイプではなかったら辛い所だが…

(今日店に行ってみるか……昨日のお礼が言いたいしな)



* * *

夕方になり雑用も終えたクリスは自分の席から立ち上がった時だった
突然オフィス内に警報が鳴り響く
この警報は緊急出動命令の合図でもあった。クリスは鞄を机の上に再び置いた

「皆!行くぞ」

ウェスカーの号令にクリスやジルたちは外へと出て行った


報告によれば銀行強盗があったとの知らせだった、犯人は数名で銃を持って立てこもっているらしい
それぞれ指示されたポイントについて突入の合図を待った

「後30秒で突入する」
「了解」

クリスは銃を握り締めて突入の機会を待った




* * *

「遅くなったな…」

街での銀行強盗の事件は無事に解決し、犯人も捕まえる事ができた
色々と処理をしていたらすっかりと暗くなってしまいすでに日付は次の日を迎えようとしていた
しかしクリスはいないだろうとわかっていてもナナの店に寄る事にした
もしかしたらいるかもしれない……

「あ……」

ナナの花屋に着けば彼女はまだ店におり花の手入れをしていた
その姿がとても綺麗で可愛らしくて目を奪われる
降りて声をかけようとした時、クリスはナナに近づいてくる人物に気がついて身を隠した
一人の男がナナに声をかける、その人物を見た彼女は嬉しそうに微笑んで彼に抱きついていた
その光景を見たクリスは再びエンジンをかけ直してナナの店を後にした


121015


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