04


「クリス、起きて…」
「ん……誰だ…?」
「私ナナよ」
「え…ナナ!?」

自分が想いを寄せている人物の名前を聞いてクリスは起き上がった
見ればエプロンをつけたナナが自分の上に乗って顔を覗きこんでいる
一人暮らしの自分の家に何故彼女がいるのかクリスは混乱していた

「早く起きないと遅刻するよ?」
「ど、どうして君がここにいるんだ?」
「どうしてって…彼女が家にいちゃいけないの?」
「か、彼女!?」

いつ自分は彼女に想いを伝えたのだろうか?
どうやら付き合って一緒に暮らしている様子だった、しかしナナの格好を改めて見ればエプロンをつけてはいるのだが裸エプロンという姿だった
クリスは彼女の豊満な胸に目が釘付けになってしまい力強く彼女を抱きしめた




「ハッ!?」

そこでクリスは目を覚ました
どうやら今までのは全部夢だったらしく、夢かと少々残念そうに苦笑した
25にもなってあんな夢を見るなんて…そして下着に違和感を感じて見ればどうやら夢精していたらしく下着を履き替えて出勤する準備をした



「おはようクリス」
「おはようジル…ごほっ、ごほっ」
「あら?風邪引いた?」
「あぁ…そうかもな」

昨日ナナの店に行って一緒に花を片付ける作業を大雨の中したせいだろう
すぐに帰って風呂に入ったのだがそれでも間に合わなかったようだ
椅子に座り込んだときジルに声をかけられた

「昨日ナナの店に行ったんだって?」
「あぁ……え?な、何で知ってるんだ?」
「ナナから昨日連絡があったの、花を移動させるのを手伝ってくれたからお礼が言いたいって……ふーんなるほどね」

ニヤニヤしながらジルはクリスの顔を見つめる
昨日彼女との食事を断ってナナの店に行っていた、ジルにまで気持ちがバレてしまったとクリスは頭を抱え込んだ

「惚れたのね」
「っ…」
「まぁクリスならいいんじゃない?変な男にナナを任せるよりは何倍もマシだし」

協力してあげるわよ、とジルにこっそりと耳打ちされてクリスは益々頭を痛めた
いや本当に痛くなってきた
どうやら相当な熱があるらしくクリスはそのまま机の上に倒れこむ。異変に気がついたジルがクリスに声をかける

「ちょっと!大丈夫?」
「はぁ…っ」
「今日は帰りなさい、キャプテンには伝えておくから」

ジルに言われてクリスはそのまま家に帰ることにした



* * *

「38度か……」

体温計を計り終えたクリスは寒気がしてシーツをかけ直す
一人暮らしの時は誰も看病してくれなくて寂しくなる、ラクーンシティに来る前はクレアがよく面倒を見てくれた

ピンポーン

インターホンが鳴るが生憎出られそうにない
クリスは無視をしてそのまま目を閉じた、だが次の瞬間扉が開く音が聞こえてクリスは咄嗟に側に置いていた銃を部屋の扉に向けて構えた
そして扉が開いて入ってきた人物にクリスは目を見開いた

「こんにちは…風邪大丈夫?」
「ナナ…!?」

彼女が家にやってきたことにクリスは驚かずにいられなかった


121010


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