第2話 Man injured


両手を挙げたままナナは部屋の中へと進む
後ろでは男が銃を突きつけたままだ
先程この男は大人しくしていれば手を出さないとは言っていたが、そんなものは当てにならない
奪うものだけ奪った後殺すことだってあるのだから

「包帯か何かないか?」

男に言われてナナは震えた声である、と答えた
それに頷くと取ってくるように言われたので棚にしまっておいた救急箱を手に取るとテーブルの上に置いた

「ありがとう」
「え!?あ、いえ……」

お礼を言われたことに驚いて声を上げるナナ
彼女に向けていた銃をテーブルの上に置いて彼はそのまま包帯を取り出す
着ていた服を脱いで上半身裸になる、ナナが目にして驚いたのは彼の横腹から血が出ていたのだ
じっと見ていた彼女に男は睨んだ

「なんだ?」
「……怪我、してるの…?」
「お嬢さんには関係ないだろ」

そう言い放つと彼は包帯と消毒液を取り出す

「……そのまま手当てするつもり?身体中が汚れてるし…シャワー浴びた方がいいわ」

見ず知らずの男にここまで言う必要はない
ナナとしてはさっさと出て行って欲しいはずなのに、言葉が先に出ていた
男はしばらく黙っていたがやがて口を開いた

「……シャワー室はどこだ?」
「奥よ……よかったら服とかも洗っておくから」
「……助かる」

男はかすかに微笑んで奥の部屋へと入っていく
自分は何をしているのか、見知らぬ男をシャワー室に通すなんて
出てきたときに犯されてしまったらどうしようか?
今の間に警察に連絡をするべきだろうか?
しかしバレてしまったときの事を考えるととても恐ろしく、結局彼が出てくるまで何もできずにいた


* * * *

出てきた男に服を貸してあげた
それは元彼――といってもピーターではなく別の男性の服なのだが、彼に渡せば何とかサイズはあった
ズボンをはいて上半身裸の彼にナナは手当てを始めた

「……どこで怪我をしたの?」
「……森だ」
「森?…貴方、ううん……そういえば名前は?」

名前を聞かれて男は一瞬黙り込んだがすぐに口を開いた

「……ビリー」
「そう、私はナナ…大学生よ」

ビリーはそうか、と答えて再び黙り込んだ
手当てを終えたナナは終わったわ、と答えた
綺麗に巻かれた包帯を見てビリーはまたかすかに微笑むと、上着を羽織った
これで自分は解放されるとナナは思ったのだが突然ビリーは床の上に倒れた

「ちょっと!?大丈夫!!?」

疲れでも溜まっていたのか…ビリーは眠っていた
起こしても起きそうにないのでナナは深いため息をついた



ビリーの上半身裸はやばそうですww
120620


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